Deno v1.13.0
Deno v1.13.0がリリースされました。
大きな変更点として、ネイティブHTTPサーバ(Deno.serveHttp)の安定化やTLS関連の機能の強化、プラグインシステムの廃止やFFIの導入などが行われています。
また、このリリースに合わせて、magurotunaさんによる日本語の紹介記事も公開されています:
変更点:
Deno.serveHttpが安定化されましたDeno.upgradeWebSocketで返却されるオブジェクトのwebsocketプロパティがsocketにリネームされましたDeno.upgradeWebSocketで返却されたWebSocketオブジェクトのcloseメソッドを呼ぶ際に、任意のコードを指定できるようになりましたWebSocketStreamが実装されました (unstable)- プラグインシステムが削除され、代わりにFFIが導入されました (unstable)
--unsafely-treat-insecure-origin-as-secureオプションがサポートされ、TLS証明書の検証を無効化できるようになりましたDeno.connectTlsでクライアント認証用の証明書と秘密鍵を渡せるようになりましたDENO_TLS_CA_STORE環境変数が導入され、TLS接続時にシステムの証明書ストアを使用できるようになりましたDeno.runでclearEnvオプションがサポートされ、子プロセスの環境変数をクリアできるようになりました (unstable)Deno.writeFileでAbortSignalがサポートされ、書き込みを中断できるようになりましたDeno.permissions配下のAPIが引数としてURLオブジェクトをサポートしましたDeno.systemCpuInfoが削除され、代わりにnavigator.hardwareConcurrencyがサポートされましたDeno.errors配下の各エラーがErrorクラスを継承するように修正されましたSubtleCrypto#importKey/exportKeyが実装されました(HMACキーのみサポート)SubtleCrypto#verifyでHMACキーがサポートされました--locationが指定された場合は、fetchでHTTPリクエストを送信する際にOriginヘッダが設定されるようになりましたdeno test --docでMarkdownファイル内のtsコードブロックの型チェックがサポートされました- structuredCloneが実装されました
initializeリクエスト発生時にinitializationOptions.cacheを指定することで、deno lspがDENO_DIRとして認識するディレクトリを指定できるようになりましたdeno lspでリファクタリングコードアクションがサポートされました—evalオプションがサポートされ、REPL起動時に指定したコードを実行できるようになりました- REPLがコードに含まれるexport宣言を無視されるようになりました
- Import mapsでWindows形式のファイルパスがサポートされました
deno docコマンドで不正なURLを指定するとプロセスがパニックする問題が修正されました
deno_std v0.104.0
deno_stdのv0.104.0がリリースされました。
新機能としてcryptoモジュールの追加やcollectionsモジュールのさらなる拡張などが行われています。
また、assertThrows/assertThrowsAsyncのシグネチャの変更やassertThrowsAsyncの非推奨化も実施されています。
変更点:
- 標準の
Crypto/SubtleCryptoを拡張することを目的としてcryptoモジュールが追加されました collections:deepMerge,mapNotNullish,findLastIndex,sumOf,associateBy, 及びsortBy関数が実装されましたtesting:assertThrowsの戻り値がErrorからvoidに変更されましたtesting:assertThrowsAsyncの戻り値がPromise<Error>からPromise<void>に変更されましたtesting:assertRejectsが追加され、代わりにassertThrowsAsyncが非推奨化されましたhttp/file_server:If-Modified-Sinceヘッダに応じて304を返却するようになりましたnode:assert/strict,path/posix,path/win32,fs/promises,stream/promises,timers/promises,util/types, 及びperf_hooksモジュールが追加されましたasync:deadlineに渡したPromiseがすでにrejectされていた場合、プロセスがクラッシュする問題が修正されました
esm.sh v44
esm.shのv44がリリースされました。
変更点:
- 依存モジュールのエイリアスがサポートされました
- targetパラメータでnodeがサポートされました