Deno v1.13.2
Deno v1.13.2がリリースされました。
このリリースではバグ修正を中心に行われています。
変更点:
SubtleCrypto#exportKey
でHMACがサポートされましたdeno test
の--jobs
オプションで0
を指定するとエラーが発生するように修正されましたDeno.dlopen
に不正な型の引数を渡した際に、プロセスがパニックする問題が修正されました- リソースリークを防止するために、
Deno.HttpConn#close
を実行した際に、該当のDeno.HttpConn
オブジェクトを経由して割り当てられた全てのリソースが開放されるように修正されました deno lsp
でlanguageIdとしてjsx
とtsx
がサポートされました (Nova などのエディタが標準のlanguageIdであるjavascriptreact
やtypescriptreact
ではなく、jsxやtsxを使用するために対応されたようです)deno lsp
がサポートしないlanguageIdが指定された場合、エディタ上で診断が表示されないように修正されました (deno lsp
が解釈できないlanguageIdをエディタが指定した場合、Denoはそのファイルをtypescriptとして解釈していたため、誤って診断が表示されてしまう問題があったようです)- クラシックWorkerで
setTimeout
などのAPIを使用するとプロセスがクラッシュする問題が修正されました URL
やURLSearchParams
のパフォーマンスが向上しました
deno_std v0.106.0
deno_std v0.106.0がリリースされました。
変更点:
async
:delay
関数でAbortSignal
を使用した中断がサポートされましたcollection
:findLastIndex
でマッチする要素が見つからなかったときに-1
ではなくundefined
が返却されるように修正されましたtesting
:assertEquals
で、一方のオブジェクトにはconstructor
が設定されているがもう一方には設定されていない場合に、保持しているプロパティが一致すればそれらのオブジェクトは同一と判断されるように変更されましたnode/buffer
: 定数などのいくつかのAPIがexportされましたnode/perf_hooks
:PerformanceEntry
がdefault exportされるオブジェクトに追加されました
- https://github.com/denoland/deno_std/pull/1155
- https://github.com/denoland/deno_std/releases/tag/0.106.0
MDNでDenoがサポートされました
MDN Web Docsの「ブラウザーの互換性」欄にDenoの情報が表示されるようになりました。
あるWeb APIがDenoのどのバージョンからサポートされているかを確認することができます。
例)
- https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/API/URL
- https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/API/TextDecoder
https://deno.com/blog/deno-on-mdn
Aleph.js v0.3.0 betaバージョン
Next.jsライクなフレームワークであるAleph.jsのv0.3.0 betaバージョンが公開されました。
様々な機能の追加やパフォーマンスの向上などが図られています。
主な変更点:
- 新しいプラグインシステムの提供 (Aleph.jsのランタイムを拡張し、コードの変換プロセスに介入したりカスタムファイルタイプのサポートなどを追加できる仕組み)
- deno_std/http/serverからネイティブHTTP(
Deno.serveHttp
)への移行 - APIミドルウェアがサポートされました。
api/_middlewares.ts
またはaleph.config.ts
でAPIミドルウェアを定義できます。 - Pageコンポーネントで
ssr
オプションを宣言できるようになりました。(Next.jsにおけるgetStaticProps
/getStaticPaths
相当の機能) - linkタグを使用したScoped CSSのサポート
- VercelのServerless Functionsのサポート
aleph.config.ts
でImport mapsが使用できない問題が修正されましたuseDeno
を使用したページにおけるHMRサポートの向上- devサーバの起動に関するパフォーマンス向上