Deno v1.44.1

Deno v1.44.1がリリースされています。

Node.js互換性の改善

dynamic import

以下のような形式のdynamic importがサポートされています (ただし、importの引数に指定された変数が静的に解析可能な場合にのみ限定されます)

const specifier = "npm:chalk@5.3.0";
const chalk = await import(specifier);

.npmrc

あるパッケージのtarballのURLに対して、常にそのパッケージが属するスコープ向けの認証設定が適用されてしまう問題が修正されています。

fix(npm): use configured auth for tarball urls instead of scope auth (#24111)

レジストリとパッケージのtarballを配信するドメインが異なる場合、v1.44.0の時点では、それぞれのドメインに対して別々の認証設定を適用できない課題があったようです。

Workerにおけるパッケージ解決の改善

Workerにおいて特定のnpmパッケージを利用しようとすると、プロセスがパニックしてしまうことがある問題が修正されています。

deno lsp

jsr:向けのマッピングがImport mapsで定義されている場合、うまく補完が動作しない問題が修正されています。(#24050)

Deno.exitCode

Deno.exitCodeに整数以外の値を設定しようとした際にTypeErrorが発生するように挙動が変更されています。

deno_stdのリリース

deno_stdのリリースが行われています。

@std/bytes@1.0.0

@std/bytes@1.0.0がリリースされています。特に大きい変更はありませんが、deno_stdのパッケージとしては初の安定版リリースになります。

@std/assert

0.226.01.0.0-rc.1の2つのバージョンがリリースされています。

0.226.0

assertEqualsからformatterオプションが削除されています。


1.0.0-rc.1

assertAlmostEqualstolerance引数のデフォルト値が変更されています。

今までは1e-7がデフォルト値として使用されていました。

このバージョンでは、デフォルト値が以下のように変更されています。

  • expected引数が有限な値であればexpected * 1e-7
  • そうでなければ1e-7

@std/crypto@1.0.0-rc.1

@std/crypto@1.0.0-rc.1がリリースされています。

非推奨されていた以下のAPIが削除されています。

  • FNVAlgorithms
  • wasmDigestAlgorithms (DIGEST_ALGORITHM_NAMESへの移行が推奨されます)
  • WasmDigestAlgorithm (DigestAlgorithmNameへの移行が推奨されます)
  • KeyStack (crypto/unstable_keystack)

@std/encoding@1.0.0-rc.1

@std/encoding@1.0.0-rc.1がリリースされています。

@std/encoding/ascii85

Ascii85Optionsが削除されています。新しくEncodeAscii85OptionsDecodeAscii85Optionsが導入されているため、これらへの移行が推奨されます。

@std/encoding/varint

以下のAPIがリネームされています。

リネーム前リネーム後
MaxVarIntLen64MaxVarintLen64
MaxVarIntLen32MaxVarintLen32
MaxUInt64MaxUint64

また、非推奨化されていた以下のAPIが削除されています。

削除されたAPI移行先
decodedecodeVarint
decode32decodeVarint32
encodeencodeVarint

@std/net@0.224.2

@std/net@0.224.2がリリースされています。

新しいAPIとしてgetNetworkAddress(@std/net/get_network_address)が追加されています。(Deno.networkInterfacesのラッパー)

@std/uuid@1.0.0-rc.1

@std/uuid@1.0.0-rc.1がリリースされています。

@std/uuid/v1

V1Optionsが削除されています。(GenerateOptionsへの移行が推奨されます)

また、generate()からbufoffset引数が削除されています。

@std/path@1.0.0-rc.1

@std/path@1.0.0-rc.1がリリースされています。

@std/path

posixwin32が削除されています。

今後は@std/path/posixまたは@std/path/windowsの利用が推奨されます。

@std/path/common

sep引数が削除されました。(@std/pathにおける他のAPIとの一貫性改善のため)

@std/path/glob_to_regexp

GlobToRegExpOptions.osOSTypeが削除されています。

@std/toml@1.0.0-rc.1

@std/toml@1.0.0-rc.1がリリースされています。

FormatOptionsStringifyOptionsにリネームされています。