2023/06/12〜2023/06/18の最新情報

fresh v1.2 fresh v1.2がリリースされました。 変更内容について以下のページにまとめたため、よろしければ参照いただければと思います。 fresh v1.2 Deno v1.34.3 Deno v1.34.3がリリースされました。 Deno KVにキューが実装 Deno.KvにenqueueとlistenQueueメソッドが追加されています。 const kv = await Deno.openKv(":memory:"); // メッセージを追加します。 const res = await kv.enqueue({ id: 1, payload: "foo" }); assert(res.ok); let message; // キューを購読します const listenPromise = kv.listenQueue((_message) => { message = _message; }); kv.close(); await listenPromise; // closeするとresolveされます console.info(message); // Output: { id: 1, payload: "foo" } Deno.Kv.enqueueには以下のオプションを指定できます。 オプション 説明 keysIfUndelivered メッセージの処理に失敗した際にKVに設定したいエントリを指定できます delay 配送までの遅延時間を指定できます(最大で1週間まで指定できて、デフォルトは0です) listenQueueに渡したコールバックが失敗した際は、自動的にリトライされます。(リトライ回数は最大で5回のようです)...

June 18, 2023

fresh v1.2

fresh v1.2がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 このリリースに合わせて、PreactのメンテナーであるMarvin Hagemeister氏がDeno社に入社されたことが発表されています。これからMarvin Hagemeister氏を中心に、フルタイムでFreshの開発が進められていくことが計画されているようです。 アップデートについて freshはアップデート用のスクリプト(update.ts)を提供しています。 以下のコマンドを実行すると、v1.2へアップデートすることができます。 $ deno run -A -r https://fresh.deno.dev/update . また、このバージョン以降からinit.ts (freshのプロジェクト初期化用のスクリプト)で作成したプロジェクトでは、deno task updateでもfreshをアップデートすることができます。 Islandコンポーネントに関する改善 props.childrenのサポート Islandコンポーネントでprops.childrenがサポートされました。 import type { PageProps } from "$fresh/server.ts"; import Collapse from "../islands/Collapse.tsx"; function Content() { return <div>foobar</div>; } export default function Index(props: PageProps) { return ( <Collapse> <Content /> </Collapse> ); } またIslandコンポーネントをネストすることもできます。 export default function Index(props: PageProps) { return ( <Collapse> <Collapse> <Content /> </Collapse> </Collapse> ); } 制限として、children以外のpropsにコンポーネントを渡すことはまだサポートされていません。...

June 18, 2023

2023/06/05〜2023/06/11の最新情報

Deno v1.34.2 Deno v1.34.2がリリースされました。 Node.js互換性 node:http2が追加されました。 http2.connectとhttp2.createServerの基本的な実装が追加されています。 node:fs/promises: FileHandleの以下のメソッドが実装されました。 readFile() read() write() close() node:child_process: spawnのstdioオプションで[0, 1, 2]の指定がサポートされました。 node:process: process.stdoutにpipeされたReadableストリームがクローズされた際に、process.stdoutも一緒にクローズされてしまう問題が修正されています。 Web API 巨大なArrayBufferをconsole.logなどで表示しようとした際に、誤ってdetached状態として表示される問題が修正されました。 EventTargetのリスナ内で同一イベントへのリスナを新しく登録した際に、登録されたばかりのリスナが即座に呼ばれてしまう問題が修正されました。 パフォーマンス改善 主にHTTPサーバ(Deno.serve)に対して、様々なパフォーマンス改善が実施されています。 perf: use sendto syscalls #19414 perf(ext/http): Add a sync phase to http serving #19321 perf(ext/http): Use flat list of headers for multiple set/get methods #19336 perf(ext/http): Migrate op_http_get_request_headers to v8::Array #19354 perf(ext/http): Migrate op_http_get_request_method_and_url to v8::Array #19355 perf: optimize RegExp usage in JS #19364 perf(http): avoid flattening http headers #19384 deno_std v0....

June 11, 2023

2023/05/29〜2023/06/04の最新情報

Deno v1.34.1 Deno v1.34.1がリリースされました。 deno compile DENO_DIRが読み取り専用であった際に、deno compileで作ったバイナリがうまく動かない問題が修正されました。 npmパッケージ内に含まれるファイルを読む際に、deno compileに--allow-readを指定しているにも関わらず、バイナリの実行時に再度--allow-readが求められる問題が修正されました。 Node-API napi_get_cb_infoでdata引数が適切に取り扱われるように改善されました。 Deno.createHttpClient オプションとしてhttp2: falseとhttp1: trueの両方が指定された場合に、ALPNでh2が指定されないように修正されました。 denoland/deno_kv_oauth Deno公式で、Deno KVをベースにOAuthのアクセストークンやセッションなどの管理を行ってくれるモジュールが公開されています。 https://github.com/denoland/deno_kv_oauth ロードマップについては、以下で公開されています。 https://github.com/denoland/deno_kv_oauth/issues/1 window変数の削除について Deno 2.0でwindow変数の削除が検討されているようです。 remove window variable #13367 背景としては、既存のライブラリにはwindow変数の有無に応じて現在の環境(ブラウザ or Node.js)を判断しているものが多く存在し、Denoでそういったライブラリを利用する際に、意図せずしてブラウザであると判定されてしまうことを防ぎたい、という狙いがあるようです。 次のマイナーリリースであるDeno 1.35では、window変数が参照された際に警告を表示する変更を入れることが検討されているようです。 feat(runtime): log deprecated message on first usage of window global #19319 esbuild_deno_loader v0.8.0 esbuild_deno_loader v0.8.0がリリースされました。 npm:URLやnode_modulesのサポートが行われています。 "native"ローダーでは、通常のDenoにおけるnpm:などと同様に、依存するnpmパッケージはDenoのグローバルキャッシュ(DENO_DIR)から読み込みやダウンロードなどが行われるようです。 ただし、Deno Deployなどでも動作する"portable"ローダーでは、--node-modules-dirなどによって事前にnode_modulesディレクトリが作成されていないと動作しないなどの制限があるようです。 freshでのnpm:サポート またマージはされていませんが、esbuild_deno_loader v0.8.0を活用してfreshにnpm:のサポートを入れる対応が進められているようです。 feat: limited npm: specifier support #1245

June 4, 2023

2023/05/22〜2023/05/28の最新情報

Deno v1.34 Deno v1.34がリリースされました。 以下に内容をまとめたため、よろしければそちらを参照いただければと思います。 Deno v1.34 deno_std v0.189.0 deno_std v0.189.0がリリースされました。 std/async/retry.ts retry()の内部でジッターが適用されるようになりました。 std/collections/group_by.ts groupBy()でIterable<T>型の値がサポートされました。 import { groupBy } from "https://deno.land/std@0.189.0/collections/group_by.ts"; groupBy( new Set([1, 2, 3, 4, 5]), (x) => x % 2 === 0 ? "even" : "odd", ); // Output: { odd: [ 1, 3, 5 ], even: [ 2, 4 ] } また、selector関数が引数として現在処理中の要素のindexを受け取るように変更されています。 v0.189.0 v0.188.0 Deno DeployでNode.js組み込みモジュールがサポート Deno DeployでNode.js組み込みモジュールがサポートされたようです。...

May 28, 2023

Deno v1.34

Deno v1.34がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 deno.json(c)の拡張 トップレベルのexcludeフィールドがサポート deno fmtやdeno lintなどの各コマンドで共通の除外対象ファイルを定義できます。 また、トップレベルのexcludeに加えてfmt.excludeやlint.excludeなども一緒に定義されている場合は、それらへマージされます。 例えば、以下のような設定があったとします。 { "fmt": { "exclude": [ "fresh.gen.ts", "README.md" ] }, "lint": { "exclude": [ "fresh.gen.ts" ] } } Deno v1.34以降であれば、以下のように設定をまとめることができます。 { "exclude": [ "fresh.gen.ts" ], "fmt": { "exclude": [ "README.md" ] } } globのサポート include/excludeやtasksなどでglob形式で対象を定義することができます。 { "lint": { "exclude": ["generated/**/*.ts"] }, "tasks": { "my_task": "cat vendor/**/*....

May 28, 2023

2023/05/15〜2023/05/21の最新情報

Deno v1.33.4 Deno v1.33.4がリリースされました。 Node.js互換性の改善 組み込みモジュールの改善 node:crypto: getDiffieHellman/createDiffieHellmanが実装されました。 node:url: formatにURLオブジェクトを渡した際に、適切にフォーマットが行われなかった問題が修正されました。 node:child_process: spawnのstdioオプションにStreamを渡せるようになりました。 これによりnpm-run-all が動くようになったようです。 Node-API napi_add_finalizerが実装されました。 BigInt関連のAPIの互換性が改善されています。 npm optionalDependenciesのサポートが改善されています。 Deno KV Deno.Kv.close()の戻り値の型定義がPromise<void>からvoidへ変更されました。(実装は修正されていませんが、TypeScriptの型定義に誤りがあったようです) Deno.serve()のバグ修正 リクエストがキャンセルされると、Denoがパニックすることがある問題が修正されました。 Web API BroadcastChannelの型定義がlib.deno.unstable.d.tsへ移動されました。 unstable APIであるにも関わらず、--unstableなしでも型定義を参照できてしまう問題があったようです。 WebSocketで短い時間内で多くのメッセージを送信すると、いくつかのメッセージが失われることがある問題が修正されました。 fetch()でIPアドレスを指定してHTTPSリクエストを送信する(例: https://1.1.1.1/)とエラーが発生する問題が解消されました。 deno_std v0.188.0 deno_std v0.188.0がリリースされました。 std/flags collectとdefaultを併用した際に、オプションにネストされた配列が設定される問題が修正されました。 import { parse } from "https://deno.land/std@0.188.0/flags/mod.ts"; const options = parse([], { collect: ["values"], default: { values: ["foo", "bar"], }, }); console....

May 21, 2023

2023/05/08〜2023/05/14の最新情報

Deno v1.33.3 Deno v1.33.3がリリースされました。 deno compileでnpmパッケージがサポート deno compileでnpm:やnode:URLに依存したアプリケーションの実行可能ファイルの生成がサポートされました。 利用する際は、現時点では--unstableの指定が必要です。 import chalk from "npm:chalk@5.2.0"; console.log(chalk.green.bold("Hello")); $ deno compile --unstable --output=example main.js $ ./example また、deno compileによるコンパイル対象として、直接npmパッケージを指定することもできるようです。 $ deno compile --unstable --output=cowsay npm:cowsay@1.5.0 $ ./cowsay hello Deno.serve() レスポンスの自動的な圧縮が実装されました。 現時点ではgzipのみがサポートされています。(Content-Encoding: gzip) それ以外には、--watchオプションと併用した際の安定性の改善が実施されています。 Deno.Command Deno.ChildProcess#killが、システムの全実行可能ファイルに対する--allow-run権限を要求する問題が修正されました。 v1.33.2までは、例えば--allow-run=redis-cliのように特定のバイナリのみを許可している場合、Deno.ChildProcess#killで権限エラーが発生する問題があったため、このリリースで修正されています。 deno lsp documentPreloadLimitオプションが追加されました。 これにより、deno lspがプリロードするドキュメント数をカスタマイズできます。 vscode_denoでは、v3.18.0でdocumentPreloadLimitオプションのサポートが入っているようです。 その他 Deno.seekSyncとDeno.seekの型定義が統一されていなかった問題が修正されました。(#19060) node:module: Module.runMain()が実装されました。(ts-nodeで使用されているようです) リダイレクトするリモートモジュールへの依存があった場合、deno vendorの実行時にパニックする問題が修正されました。 Deno.UnsafeCallbackが使用されていると、deno testがハングすることのある問題が修正されました。 deno_std v0.187.0 deno_std v0.187.0がリリースされました。 std/regexpが追加 新しいモジュールとしてstd/regexpが追加されました。 現状では、正規表現のメタ文字をエスケープするための機能が提供されています。 import { escape } from "https://deno....

May 14, 2023

2023/05/01〜2023/05/07の最新情報

Deno v1.33.2 Deno v1.33.2がリリースされました。 Deno KV Deno.KvU64にvalueOf/toStringが実装されました。 assert(new Deno.KvU64(1n) + 2n === 3n); assert(new Deno.KvU64(123n).toString() === "123"); また、Deno.Kvのコンストラクタを直接呼ぶと、エラーが発生するように変更されました。(Deno.openKvの使用が推奨されるため) Node.js互換性 node:process: process.releaseが実装されました。 node:http: ClientRequest.setTimeoutに0を渡すとタイムアウトが無効化されるように修正されました。 その他 パフォーマンス向上のため、Windows以外の環境では、グローバルアロケータやArrayBufferの割り当ての用途としてjemallocが使用されるように変更されました。 beforeunloadのリスナ内でpreventDefaultを呼んでいると、Deno.test内で発生したUncaught Errorが画面に表示されなくなる問題が修正されました。 WebSocketクライアントが適切にクローズされなかった場合、WebSocketサーバがハングする問題が修正されました。 引数なしでURL.canParse()が呼ばれた際に、falseを返すのではなくTypeErrorが発生するように修正されました。 deno_std v0.186.0 deno_std v0.186.0がリリースされました。 std/path sepが非推奨化されました。 今後はSEPの使用が推奨されます。 std/async deadline.ts: signalオプションによるキャンセルがサポートされました。 pool.tsがブラウザ互換になりました。 std/http/method.tsの追加 isHttpMethodで与えられた文字列が正しいHTTPメソッドであるか判定できます。 import { isHttpMethod } from "https://deno.land/std@0.186.0/http/method.ts"; assert(isHttpMethod("GET")); assert(isHttpMethod("POST")); assert(!isHttpMethod("get")); assert(!isHttpMethod("foo")); std/http/file_server.ts Rangeヘッダが仕様どおりにハンドリングされるように改善されました。 std/http/server.ts serve()ですでに使用中のportを指定した際に、たまにAddrInUseではなくTypeError: Cannot read properties of undefined (reading 'port')が発生する問題が修正されました。...

May 7, 2023

2023/04/24〜2023/04/30の最新情報

Deno v1.33 Deno v1.33がリリースされました。 以下に内容をまとめたため、よろしければそちらを参照いただければと思います。 Deno v1.33 Deno v2.0について Deno v1.33のリリースノートでDeno v2.0のリリース時期について書かれています。 https://deno.com/blog/v1.33 数カ月後にリリースが予定されているようです。 それまでの間、今後のマイナーリリースではパフォーマンスやNode.js互換性、セキュリティなどの改善が行われる想定のようです。 deno_std v0.185.0 deno_std v0.185.0がリリースされました。 std/uuid: UUID v3のサポート std/uuid/v3.tsが実装されています。 MD5を利用してUUIDを生成するgenerate()や、UUIDの検証をするvalidate()が提供されています。 std/dotenv: --allow-envなしでの読み込みがサポート restrictEnvAccessToオプションに空の配列やnullまたはundefinedを指定した際に、環境変数を参照せずに.envの内容のみが読み込まれるようになりました。 この場合、--allow-envの指定が不要になります。 esbuild_deno_loader v0.7.0 esbuild_deno_loader v0.7.0がリリースされました。 v0.6.0で提供されていたdenoPluginが以下のように2つのプラグインに分割されています。 denoResolverPlugin: Import mapsを考慮した上でspecifierを解決する denoLoaderPlugin: denoResolverPluginが解決したspecifierを元にモジュールを読み込む プラグインを分割することにより、カスタムのスキーマや拡張子などをサポートできるようになったようです。 例えば、以下ではカスタムのemoji:スキーマをサポートする例が紹介されています。 examples/custom_scheme_plugin.ts また、configPathとimportMapURLオプションが追加されており、これらにより各プラグインが利用するdeno.jsonやImport Mapsファイルへのパスを指定することができるようです。 Deno KV Deno KVのホームページが正式に公開されました。 https://deno.com/kv @ayame113さんによるDeno KVの解説記事も公開されています。 Deno KV 正式発表!cloudflare KVとcloudflare D1のいいとこ取り?

April 30, 2023