2023/08/21〜2023/08/27の最新情報

Deno v1.36.2 Deno v1.36.2がリリースされました。 Deno KV キーに有効期限を設定できるようになりました。 Deno.Kv#setなどのexpireInオプションを指定することで、ミリ秒単位で対象のキーの生存期間を指定できます。 const db = await Deno.openKv(); await db.set(["key"], "value", { expireIn: 30 * 1000 }); // 最低でも30秒後に削除されます。 FFI FFI関連のAPIをより型安全に扱えるように型定義が改善されています。 Deno.PointerObjectの型定義が公開されています。 Deno.PointerValueがGenerics型に変更されています。 など その他の変更点(バグ修正など) Denoで以下のエラーが発生する問題が修正されています。(古いバージョンのdeno_cacheで作成したキャッシュを最新のDenoで読もうとした際に発生していたようです) error: missing field `now` at line x column y Deno.listenTlsに不正な証明書または秘密鍵が指定されると、プロセスがパニックする問題が修正されました。 deno lsp: auto importの実行時にdeno.jsonのfmtの設定が効くように挙動が改善されています。 deno test: JUnitレポーターでfilename/line/colが出力されるように改善されました。 deno.json: vendor: trueが指定された際に、vendorディレクトリからの直接のimportが無効化されました。(二重に依存関係がダウンロードされてしまったりする問題などを防止するため) node:os: WindowsでuserInfo()が利用出来ない問題が修正されています。 navigator.userAgentがWorker内で利用できない問題が修正されました。 Deno v1.36.3 Deno v1.36.3がリリースされました。 v1.36.2でdeno lintを実行した際に、async関数に対してno-await-in-sync-fnルールのエラーが起こることのある問題が修正されています。 また、URL.canParseの型定義も追加されています。 Deno本体での.envのサポートについて Deno本体に--envというオプションを追加するPRが作成されています。 feat: –env-file #20300...

August 27, 2023

2023/08/14〜2023/08/20の最新情報

fresh v1.4 fresh v1.4がリリースされました。 以下に内容をまとめたため、よろしければそちらを参照いただければと思います。 fresh v1.4 Deno KVでのキーの有効期限の設定について Deno.Kv#setなどのAPIでexpireInというオプションをサポートするPRが作成されています。 feat(ext/kv): key expiration #20091 このオプションを指定することで、対象のキーに対して有効期限を設定することができます。 const db = await Deno.openKv(); await db.set( ["key"], "value", { // 有効期限をミリ秒単位で指定します。 // 以下の場合、最低でも1秒後にこのキーが自動で削除されます。 expireIn: 1000 }, ); このPRはすでにマージされているため、次のDeno v1.36.2またはv1.37あたりでリリースされる可能性がありそうです。

August 20, 2023

fresh v1.4

fresh v1.4がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 事前ビルドのサポート Islandコンポーネントなどの事前ビルドがサポートされました。 deno task buildを実行すると、_freshディレクトリにIslandコンポーネントなどをesbuildによってバンドルした結果が出力されます。(この_freshディレクトリは.gitignoreに含めることが推奨されます。) # 1. ビルドを実行 $ deno task build # 2. _freshディレクトリが作成されます $ cat _fresh/snapshot.json サーバの起動時にfreshは自動で_freshディレクトリを探索し、見つかればそこに格納されたバンドルを利用してくれます。これによりコールドスタート時間の短縮が期待されます。 $ deno run -A main.ts Using snapshot found at /path/to/fresh-project/_fresh この事前ビルド機能はオプトイン方式によるものであり、従来どおり、ビルドステップなしでの開発やデプロイは引き続きサポートされています。ローカルでは従来どおりの方法で開発をし、本番環境にデプロイするときだけ事前ビルドを行うことも可能です。 移行について (fresh.config.ts) ※fresh v1.4以降、新規に作成したプロジェクトにおいてはこの作業は不要です。 この修正の影響により、dev.tsで使用することが想定されているdev()に変更が入っており、移行が必要になる場合がありそうです。 具体的には、まずfresh.config.tsを用意します。 import { defineConfig } from "$fresh/server.ts"; import twindv1 from "$fresh/plugins/twindv1.ts"; import twindConfig from "./twind.config.ts"; export default defineConfig({ plugins: [twindv1(twindConfig)] }); 次に、main.tsをfresh.config.tsからfreshに関する設定を読み込むように変更します。 import { start } from "$fresh/server.ts"; import manifest from "....

August 20, 2023

2023/08/07〜2023/08/13の最新情報

Deno v1.36.1 Deno v1.36.1がリリースされました。 deno_modulesディレクトリがvendorへリネーム Deno v1.36で実装されたdeno_modulesディレクトリがdeno vendorコマンドに合わせてvendorへリネームされました。 これに合わせて、deno.jsonのプロパティ名もdenoModulesDirからvendorへリネームされています。 { "imports": { "redis": "https://deno.land/x/redis@v0.29.0/mod.ts", "dax": "https://deno.land/x/dax@0.24.0/mod.ts" }, "vendor": true } このようにdeno.jsonでvendor: trueを設定することで、Denoが依存パッケージをvendorディレクトリにダウンロードするよう挙動が変更されます。 また、Deno v1.36からの大きな変更として、vendorオプションが有効化された際は、依存しているnpmパッケージもnode_modulesに自動でダウンロードされるよう挙動が変更されています。(--node-modules-dirオプションが自動で適用されるようなイメージです) この挙動を無効化したい場合、CLIオプションで--node-modules-dir=falseを指定するか、またはdeno.jsonでnodeModulesDir: falseを指定する必要があります。 deno test グローバルのsetTimeoutが置き換えられた場合、TestContext.stepが動作しなくなる問題が修正されています。(std/testing/time.tsのFakeTimeと併用できない課題があったようです) deno_std v0.198.0 deno_std v0.198.0がリリースされました。 std/path - ファイルの分割 std/path/basename.tsやstd/path/dirname.tsなど、std/pathで提供されている各APIごとにファイルが細かく分割されました。 std@0.198.0/path std@0.197.0/path deno_cache v0.5.0 deno_cacheパッケージの内部実装が、Deno本体で使用されていたグローバルキャッシュ(DENO_DIR)に関するコードをベースに再実装されたようです。 これに合わせて、deno_cache_dirという名前でクレートも公開されています。 また、Deno本体でもこのdeno_cache_dirクレートが導入されています。(#20092) これにより、今後、deno_cacheパッケージの開発がより活発になる可能性もありそうです。 https://github.com/denoland/deno_cache/releases/tag/0.5.0 Freshの2023年8〜9月のイテレーション計画 Freshの2023年8〜9月にかけてのイテレーション計画が公開されています。(2023年の7〜8月のイテレーション計画についてはこちら) August - September 2023 iteration plan #1618 現時点では、以下の実装などが進められることが検討されているようです。 SPAライクなクライアントサイドナビゲーション View transitionsのサポート

August 13, 2023

2023/07/31〜2023/08/06の最新情報

Deno v1.36 Deno v1.36がリリースされました。 以下に内容をまとめたため、よろしければそちらを参照いただければと思います。 Deno v1.36 deno_std v0.197.0 deno_std v0.197.0がリリースされました。 std/testing/snapshot.ts assertSnapshotに関して、以下の破壊的変更が実施されています。 Deno v1.33.2以降、長い文字列が改行されてスナップショットが作られていた問題への対応が入れられました。 タブ文字(\t)がエスケープされた状態でスナップショットが作られる問題が修正されました。 std/fs/walk.ts - includeSymlinksオプションが追加 includeSymlinks: true かつ followSymlinks: falseが指定された場合、walkはシンボリックリンクを未解決の状態で返却します。 このオプションのデフォルト値はtrueであるため、もしシンボリックリンクを含めたくない場合は、明示的にfalseを設定する必要があります。 for await (const entry of walk("./dir", { includeSymlinks: false })) { // ... } std/toml/parse.ts 以下のようなペアを持つTOMLを解析する際に、TypeErrorが発生する問題が解消されました。 floats = [0.1, 1.5] empty_obj = {} import { parse } from "https://deno.land/std@0.197.0/toml/parse.ts" const parsed = parse(`[section] floats = [0.1, 1.5] empty_obj = {}`); console....

August 6, 2023

Deno v1.36

Deno v1.36がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 --deny-*オプション --deny-*という新しいオプションが導入されました。このオプションにより、Denoに対して特定の操作のみを明示的に拒否させることができます。 例えば、以下の場合、Denoにwrite権限のみを拒否させています。 $ deno run --allow-all --deny-write main.js このように--allow-*オプションと--deny-*オプションは併用することが可能で、その場合、--deny-*オプションの方が優先されます。 また、--deny-*には--allow-*と同様に、リスト形式で対象を指定することもできます。 $ deno run --allow-read --deny-read=README.md main.js 上記の場合、./README.mdへの読み込みのみが拒否され、それ以外のファイルの読み込みは許可されます。 { const content = await Deno.readTextFile("Makefile"); // => OK console.info(content); } { const content = await Deno.readTextFile("README.md"); // => PermissionDenied console.info(content); } deno_modulesディレクトリの導入 ⚠️この機能はまだunstableという扱いのため、今後、機能などに変更が入る可能性があります。 また、現在、deno_modulesをvendorにリネームするPRも作成されており、今後ディレクトリやオプションなどの名前が変わる可能性も高そうです。 feat(unstable): rename deno_modules to vendor #20065 deno.jsonにdenoModulesDirという新しいオプションが導入されました。 このオプションにtrueを設定すると、リモートモジュールがdeno_modulesというディレクトリにダウンロードされるように挙動が変更されます。 { "denoModulesDir": true } この状態でスクリプトを実行すると、依存しているリモートモジュールがdeno_modulesに保存されます。 import { blue } from "https://deno....

August 6, 2023

2023/07/24〜2023/07/30の最新情報

Deno v1.35.3 Deno v1.35.3がリリースされました。 deno lint deno lintコマンドで--rulesと--rules-tagsの併用がサポートされました。 指定されたタグを持つルールの一覧を表示できます。 # `fresh`タグを持つルールを一覧表示する $ deno lint --rules --rules-tags=fresh deno lsp deno lspが以下のケースでもdeno.jsonを検出するように改善されました。 deno.jsonを新しく作成したとき deno.jsonでシンタックスエラーが発生したとき deno info deno infoコマンドでImport Mapsで定義されたspecifierがサポートされました。 $ deno info --import-map=import_map.json preact deno_std v0.196.0 deno_std v0.196.0がリリースされました。 std/http/server.tsでserveとserveTlsが非推奨化されました。 (破壊的変更) Deno v1.35でDeno.serve()が安定化されているため、今後はそちらの使用が推奨されます。 remote_modulesのサポートについて Deno本体でremote_modulesというディレクトリをサポートすることが検討されているようです。 feat: optional remote_modules directory (without lsp support) #19977 今のところ、以下のような振る舞いが想定されているようです。 deno.jsonでremoteModulesDir: trueを設定すると、remote_modulesというディレクトリにサードパーティモジュールが保存されるようになります。(実質的にremote_modulesディレクトリが$DENO_DIR/depsとして扱われます) remote_modulesディレクトリには、deno vendorコマンドによって作成されるvendorディレクトリと同様に、リーダブルなフォーマットで依存モジュールが保存されます。 deno vendorやremote_modulesを使わない場合、Denoはリモートからダウンロードしたサードパーティモジュールをファイル名をハッシュ化した状態で$DENO_DIR/depsにキャッシュします。(そのため、サードパーティモジュールに関するデバッグが難しくなります。) 背景 このremote_modulesディレクトリの導入の目的として、deno vendorコマンドに関する以下の課題の解消などが背景としてあるようです。 deno vendorコマンドで作成されたvendorディレクトリをグローバルキャッシュ(DENO_DIR)として利用したい。 deno vendorコマンドは独自に生成したImport Mapsの使用を前提としているため、ユーザが自身で作成したImport Mapsと併用することが難しいこと。(Import Mapsはプロセスごとに一つしか指定できないため) 依存パッケージのバージョンを変更するたびにdeno vendorを実行する手間を軽減すること。 これらの課題を解消するために、remote_modulesという新しいディレクトリを導入することが検討されているようです。...

July 30, 2023

2023/07/17〜2023/07/23の最新情報

Fresh v1.3 Fresh v1.3がリリースされました。 以下に内容をまとめたため、よろしければそちらを参照いただければと思います。 Fresh v1.3 Deno v1.35.2 Deno v1.35.2がリリースされました。 Node.js互換性の改善 npm:経由で読み込まれたパッケージと通常のDenoコードで異なるglobalThisの実体が参照されるように変更されました。(#19307) npmパッケージ内からDenoで書かれた.tsファイルをimport()で読もうとすると、エラーが発生する問題が修正されました。 node:process: dlopenが実装されています。(flags引数は未サポート) node:stream/promises: finished/pipelineがexportされていなかった問題が修正されています。 TypeScript --unstableをつけずにunstable APIを使おうとした際のエラーメッセージが改善されています。 v1.35.2: error: TS2551 [ERROR]: Property 'openKv' does not exist on type 'typeof Deno'. Did you mean 'open'? 'Deno.openKv' is an unstable API. Did you forget to run with the '--unstable' flag, or did you mean 'open'? If not, try changing the 'lib' compiler option to include 'deno....

July 23, 2023

fresh v1.3

fresh v1.3がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 非同期Routeコンポーネント 非同期Routeコンポーネントがサポートされました。 例えばデータベースや外部のAPIなどから非同期に取得したデータをRouteコンポーネントに渡すためには、今までは以下のようにhandlerを定義する必要がありました。 // routes/users/[id].tsx import type { Handlers, PageProps } from "$fresh/server.ts"; export const handler: Handlers<Data> = { async GET(req, ctx) { const user = await findUserByID(ctx.params.id); if (user == null) { return ctx.renderNotFound(); } const resp = await ctx.render(user); return resp; }, }; export default async function User(props: PageProps<User>) { return <UserDetail user={props.data} />; } 非同期Routeコンポーネントを利用することで、handlerを記述せずに非同期でのデータの取得とコンポーネントのレンダリングが行えるようになります。...

July 23, 2023

2023/07/10〜2023/07/16の最新情報

Deno v1.35.1 Deno v1.35.1がリリースされました。 Node.js互換性 node_modules/.deno/setup-cache.binという独自のキャッシュファイルが導入されています。 このファイルはnode_modules/.denoに関するディレクトリ構造を記録しており、このファイルを活用してシンボリックリンクの作成を効率化することで、node_modulesのセットアップを高速化することが狙いのようです。 https://github.com/denoland/deno/pull/19787 Deno.listenTls Deno.listenTlsのalpnProtocolsオプションを--unstableを指定せずに利用できるようになりました。(元々、Deno v1.35のリリース時に安定化される予定でしたが、今回のリリースで改めて安定化されました) https://github.com/denoland/deno/pull/19732 Deno.serve Deno.serveでBrotliによる圧縮が適用された際のパフォーマンスを改善するため、以下のパラメータが設定されています。 BROTLI_PARAM_QUALITY: 6 (ngx_brotliのデフォルトと同じ値) BROTLI_PARAM_LGWIN: 22 (brotliのデフォルトのウィンドウサイズ) https://github.com/denoland/deno/pull/19758 deno lsp deno.jsonのexcludeで指定されたファイルがdeno lspで取り扱われなくなるように挙動が改善されています。 https://github.com/denoland/deno/pull/19791 deno vendor deno.jsonのcompilerOptions.jsxImportSourceにImport Mapsで定義されたマッピングが指定された際に、対象のモジュールがベンダリングされない問題が修正されました。 https://github.com/denoland/deno/pull/19724 deno_std v0.194.0 deno_std v0.194.0がリリースされました。 std/msgpackが追加 MessagePackを取り扱うためのモジュールがdeno_stdに追加されています。 import { decode, encode } from "https://deno.land/std@0.194.0/msgpack/mod.ts"; const message = decode(encode({ type: "foo", message: "bar" })); console.info(message); // => `{ type: "foo", message: "bar" }` https://github....

July 16, 2023