2025/01/20〜2025/01/26の最新情報

Deno v2.1.7 Deno v2.1.7がリリースされています。 v2.1.6で発生していたWorkerに関する問題の修正 v2.1.6においてWorkerの使用時にDenoがパニックすることがあった問題が修正されています (#27741) deno install -g --configに関する挙動の変更 deno install -gで--configが指定された際に、指定された設定ファイルに含まれるimportMapが無視されるよう挙動が変更されています (#27744) deno install -gで--import-mapと--configが併用された際に、意図せぬ動作をすることの防止が目的のようです。 Node.js互換性の改善 node:crypto Decipherでaes-256-gcmまたはaes-128-gcmを使用している際に、finalメソッドにおいて認証タグのチェックが行われるように改善されています (#27733) node:fs/promises FileHandleにdatasync()とsync()メソッドが追加されています (#27677) node:http ClientRequestが保持するsocketにおいてエラーが発生した際に、そのClientRequestオブジェクトでerrorイベントが発火されるよう改善されています (#27678) node:tls connect()でECONNRESETエラーが起きることのある問題が修正されています (#27707) deno_stdのリリース deno_stdのリリースが行われています (release-2025.01.22) @std/async@1.0.10 @std/async@1.0.10がリリースされています。 @std/async/unstable-wait-forが追加 waitFor (@std/async/unstable-wait-for)という新しい実験的APIが追加されています。predicateが満たされるまで待機してくれます。 import { waitFor } from "jsr:@std/async@1.0.10/unstable-wait-for"; // ... await waitFor( () => task.isFinished(), // predicate 5_000, // timeout ); @std/fs@1.0.10 @std/fs@1.0.10がリリースされています。 Node.js向けサポートの改善 @std/fsのNode.jsサポート向けに、以下のモジュールが追加されています: @std/fs/unstable-symlink (symlink()とsymlinkSync()が提供されます) @std/fs/unstable-chmod (chmod()とchmodSync()が提供されます) @std/fs/unstable-read-dir @std/assert@1....

January 26, 2025

2025/01/13〜2025/01/19の最新情報

Deno v2.1.6 Deno v2.1.6がリリースされています。 deno check compilerOptions.typesに関する修正 compilerOptions.typesで指定されたモジュールの解決が適切に行われないことがある問題が修正されています (#27686) 未サポートのメディアタイプに関する修正 Denoが認識しないメディアタイプのモジュールを常に.jsとして扱っていた問題が修正されています (#27631) Ambient modulesによって任意の拡張子のモジュール(例: *.svg)に型を適用しているパッケージに対して型チェックがうまく動作しない問題があったようです。 vite/client向けの改善 /// <reference types="..." />ディレクティブにおいて、typesにnpm:から始まらない名前が指定された場合に、うまくパッケージを解決できない問題が修正されています (#27690) 主にvite/clientを意識した対応のようです。 また、npmパッケージからimport.metaの型を拡張できない問題が修正されています。 deno lsp vscode_denoにおいて未保存のファイルをフォーマットできない問題が修正されています (#27637) deno compile - Windows向けのバグ修正 Windows向けに生成したバイナリーでerror: Uncaught SyntaxErrorエラーが発生することがある問題が修正されています (#27654) DENO_DIRがコンパイル対象のコードと別のドライブにある場合にこのエラーが発生していたようです。 Node.js互換性の改善 node:net npm-check-updatesパッケージやplaywright installコマンドを動かすためのワークアラウンドが導入されています。 node:fs/promises FileHandleに以下のメソッドが実装されています: writev chown utimes node:child_process spawn()などのAPIでoptions.envが指定された際に、指定された環境変数のみが子プロセスに設定されるよう挙動が修正されています (今まではoptions.envで指定されたものに加え、親プロセスに元々設定されていた環境変数もすべて引き継がれていたようです) esm.sh v136 esm.sh v136がリリースされています。 jsrパッケージの読み込みが正式にサポート 実験的機能であったjsrパッケージのサポートが正式に公開されています: import { pick } from "https://esm.sh/jsr/@std/collections@1.0.9/pick"; pkg.pr.newのサポート pkg.pr.newからのパッケージの読み込みがサポートされています。esm.sh/prから読み込むことができるようです。 pnpmへの依存の削除 pnpmへの内部的な依存が削除され、Goベースの独自のパッケージマネージャーが導入されているようです。これに伴いNode.jsへの依存も不要になる模様です。esm.shをセルフホストしたい場合に影響がありそうです。 unenvの導入 unenvが内部的に導入され、これに伴い以下のような読み込みがサポートされたようです: import { join } from "https://esm....

January 19, 2025

2025/01/06〜2025/01/12の最新情報

Deno v2.1.5 Deno v2.1.5がリリースされています。 QUICサポート QUICのサポートがリリースされました。 feat(unstable): Implement QUIC #21942 Deno.connectQuic()などのAPIが実装されています (利用するには--unstable-netの指定が必要です) deno lint - JavaScriptプラグイン向けの内部的な基盤の追加 deno lintにおけるプラグインシステムの内部APIであるDeno[Deno.internal].runLintPluginやセレクターの仕組みなどの実装がリリースされています。 deno.jsonにおけるlint.pluginsオプションの実装はリリースされていないため、まだ一般的な利用はできない状態です。 OpenTelemetry @deno/otelの不要化 OpenTelemetryサポートを利用するに当たり、@deno/otelの使用が不要化されています。 OTEL_DENO=trueと--unstable-otelさえ指定されていれば@opentelemetry/apiとの連携ができます。DenoがあらかじめglobalThis[Symbol.for("opentelemetry.js.api.1")]にTracerProviderなどを登録してくれるため、@opentelemetry/apiとの連携が自動で行われるようです。 まだ、Denoの公式ドキュメントにもOpenTelemetryサポートに関するドキュメントが追加されています (Add docs for OpenTelemetry in Deno (denoland/docs#1305)) feat(unstable): add OTEL MeterProvider #27240 feat(unstable): replace SpanExporter with TracerProvider #27473 feat(unstable): no config npm:@opentelemetry/api integration #27541 WASMモジュール jsrパッケージにおけるサポートの改善 jsrパッケージ内に含まれる.wasmモジュールが読み込めるよう改善されています。 fix(jsr): Wasm imports fail to load #27594 deno check モジュールが見つからなかった際のエラー形式の変更 モジュールが見つからなかった際のエラーメッセージがTypeScriptのdiagnosticsとして報告されるよう改善が行われています (#27533)...

January 12, 2025

2024/12/30〜2025/01/05の最新情報

直近のDenoの変更について まだマージされているわけではないのですが、いくつか面白そうなPRが作成されているため紹介します。 Geometry Interfaces Module Level 1 の実装について まだDraft状態ではありますが、DenoにGeometry Interfaces Module Level 1を実装するPRが作成されています: feat(ext/geometry): Geometry Interfaces Module Level 1 #27527 DOMPointやDOMQuad, DOMMatrixなどのAPIが実装されているようです。 Geometry interfaces OpenTelemetryサポートにおける@deno/otelの不要化について 今まで、DenoのOpenTelemetryサポートを利用してシグナルを送信するためには、Deno公式から公開されている@deno/otelパッケージの使用が想定されていました。 DenoのOpenTelemetryサポートを利用するに当たって、この@deno/otelの使用を不要とする対応が進められているようです: feat(unstable): no config npm:@opentelemetry/api integration #27541 このPRの対応が入ると、セットアップの手間が若干軽減されそうです。 deno_stdの今後の安定化に関する計画 deno_stdにおけるパッケージやunstableモジュールについての今後の計画が公開されています: Next STD Stabilization Iteration Plan #6299 @std/iniパッケージや@std/uuidにおけるUUIDv7サポートの安定化などが検討されているようです。 lint.deno.landからdocs.deno.comへの移行について 以前に紹介したdeno lintのLintルールに関するドキュメントのlint.deno.landからdocs.deno.comへの移行が正式に実施されたようです: chore: replace lint.deno.land with /lint/ page #1289 今後はhttps://docs.deno.com/lint/からドキュメントを参照することが推奨されそうです。

January 5, 2025

2024/12/23〜2024/12/29の最新情報

permission sets in deno.json まだDraft状態ですが、deno.jsonでパーミッションを管理する機能を追加するPRが作成されています: permission sets in deno.json #27483 このPRではdeno.jsonにpermissionSetsという項目が追加されており、複数のパーミッションセットを定義できるようです: { "permissionSets": { "default": { "read": ["data"], "net": ["http://localhost:3000/api"] }, "build": { "read": ["data"], "write": ["dist"] } } } Denoを実行する際に--permission-setオプションを指定することで、deno.jsonで定義されたパーミッションセットを適用する想定のようです: # デフォルトでは`default`という名前がついたパーミッションセットが適用されるようです $ deno run --permission-set main.ts # buildという名前がついたパーミッションセットを有効化します $ deno run --permission-set=build scripts/build.ts deno lint - JavaScriptプラグインでのセレクターのサポートについて deno lintのJavaScriptプラグインにセレクターの仕組みを実装するPRがマージされています: feat(unstable): support selectors in JS lint plugins #27452 サポートされている構文については上記のPRに詳しく記載されていますが、以下のように柔軟にノードの問い合わせを行うことができるようです:...

December 29, 2024

2024/12/16〜2024/12/22の最新情報

QUICとWebTransport APIのサポートについて QUICのサポート DenoのmainブランチにQUICを実装するPRがマージされています。Deno v2.2あたりでリリースされる可能性がありそうです: feat(unstable): Implement QUIC #21942 quinnをベースに以下のAPIが実装されており、利用には--unstable-netの指定が必要なようです: Deno.connectQuic Deno.listenQuic Deno.QuicBidirectionalStream (Deno.QuicConn#createBidirectionalStreamで作成できます) Deno.QuicConn (Deno.connectQuicなどから返却されます) Deno.QuicListener (Deno.listenQuicから返却されます) Deno.QuicReceiveStream (Deno.QuicConn.incomingUnidirectionalStreamsで取得できます) Deno.QuicSendStream (Deno.QuicConn#createUnidirectionalStreamで作成できます) WebTransport APIのサポート まだマージはされていませんが、先程のQUICサポートをベースにWebTransport APIを実装するPRも作成されています: feat(unstable): WebTransport #27431 このPRではWebTransport APIに加えてDeno.upgradeWebTransportというWebTransportサーバーを立てるための独自のAPIも実装されているようです。引数にDeno.QuicConnを渡すことで、WebTransportオブジェクトを返却してくれます。 WebTransport APIについてもQUICと同様に、利用するには--unstable-netの指定が必要なようです。 deno lint - JavaScriptプラグインを実行するための内部APIが追加 以前に紹介したdeno lintでのプラグインサポートの件についてですが、ひとまずDeno[Deno.internal].runLintPluginという内部的なAPIの実装(今のところdeno testコマンドの実行時以外では参照できないよう制御されています)がmainブランチへマージされています。 feat(unstable): add JS linting plugin infrastructure #27416 このPRではまだCLIオプションなどは実装されていないためまだ一般的に利用できる状況ではなさそうですが、JavaScriptプラグインに関するテストコードが追加されており、今後、プラグインを書く際などの参考になりそうです。 deno_stdのリリース deno_stdのリリースが行われています: release-2024.12.18 release-2024.12.20 @std/cli@1.0.9 @std/cli@1.0.9がリリースされています。 promptMultipleSelectが追加 以前に追加されたpromptSelect()に続いて、promptMultipleSelect() (@std/cli/unstable-prompt-multiple-select)というAPIが追加されています。promptMultipleSelect()は選択肢から複数の値を選択できます。 @std/fs@1.0.7 & @std/fs@1.0.8 @std/fs@1....

December 22, 2024

2024/12/09〜2024/12/15の最新情報

Deno v2.1.4 Deno v2.1.4がリリースされています。 Node.js互換性の改善 deno install --entrypointの挙動の改善と--unstable-npm-lazy-cachingの導入 今までDenoはnpmパッケージに依存したスクリプトを実行する際に、package.jsonで指定されたパッケージをすべてインストールしていました。 このリリースではdeno install --entrypointの挙動が変更され、指定したエントリポイントから依存されているnpmパッケージのみがキャッシュされるよう改善されています。 他のコマンドでもdeno install --entrypointと同様の振る舞いをさせたい場合は、--unstable-npm-lazy-cachingまたはDENO_UNSTABLE_NPM_LAZY_CACHINGを指定することで有効化できます。 feat(unstable): support caching npm dependencies only as they’re needed #27300 パスに@が含まれるモジュールを提供するパッケージの取り扱いの改善 npmパッケージからファイル名に@が含まれるモジュールをimportしようとするとエラーが発生する問題が修正されています。 fix: do not error when specifier subpath has an @ symbol #27290 node:fs readFile()でファイルディスクリプターの指定がサポートされています。 fix(ext/node): accept file descriptor in fs.readFile(Sync) #27252 node:v8 serialize()とdeserialize()でFloat16Arrayがサポートされています。 fix(ext/node): handle Float16Array in node:v8 module #27285 _http_common @mswjs/interceptorsなどのNode....

December 15, 2024

2024/12/02〜2024/12/08の最新情報

Deno v2.1.3 Deno v2.1.3がリリースされています。 deno task --recursiveオプション v2.1.0で追加された--recursiveオプションが動作していなかった問題が修正されています (--filter *を指定した場合と同様に動作します) # ワークスペース内の各パッケージで定義されたtestタスクを実行します $ deno task --recursive test fix(task): --recursive option not working #27183 (Unix環境向け) 子プロセスへのシグナルの転送がサポート Unix環境において、deno taskのプロセス向けに送信されたシグナルがタスクで起動された子プロセスへ転送されるよう挙動が改善されています。 fix(task): forward signals to spawned sub-processes on unix #27141 (Windows向け) 子プロセスの自動停止 Windowsにおいてdeno taskのプロセスを停止させた際に、deno taskによって起動された子プロセスも停止されるよう改善されています。 fix(task): kill descendants when killing task process on Windows #27163 タスクの依存関係が定義されている際の引数の取り扱いの変更 deno taskに追加の引数が渡された場合、その引数がルートのタスクにのみ渡されるよう修正されています (dependenciesで指定された子タスクには渡されません) # 例) a b cはbuildタスクにのみ渡され、dependenciesで指定された子タスクには渡されません $ deno task build a b c fix(task): only pass args to root task #27213 deno fmt HTMLファイルのフォーマットの安定性が改善 <script>タグを持つHTMLファイルに対するdeno fmtの安定性が改善されています。...

December 8, 2024

2024/11/25〜2024/12/01の最新情報

Deno v2.1.2 Deno v2.1.2がリリースされています。 WASMモジュール .wasmモジュールから提供される関数以外の要素の読み込みがサポートされています。 fix: support non-function exports in Wasm modules #26992 TypeScript deno checkコマンドでJSDocの@importタグがサポート .jsファイルにおける@importタグによる型チェックがサポートされています。 fix(check): support jsdoc @import tag #26991 resolution-mode属性のサポート TypeScriptのresolution-mode属性のサポートが追加されています。 fix(node): correct resolution of dynamic import of esm from cjs #27071 deno fmt --check - .sqlファイルに対してエラーが発生する問題の修正 .sqlファイルに対してdeno fmt --checkを実行すると、常にエラーが発生する問題が修正されています。 fix(fmt): Return None if sql fmt result is the same #27014 deno init --npm scopedパッケージのサポート deno init --npmでscopedパッケージがサポートされています (例: deno init --npm @foo/barを実行すると、@foo/create-barパッケージが実行されます)...

December 1, 2024

2024/11/18〜2024/11/24の最新情報

Deno v2.1.0 Deno v2.1.0がリリースされています。 以下に内容をまとめたため、よろしければこちらを参照いただければと思います。 Deno v2.1 Deno v2.1.1 Deno v2.1.1がリリースされています。Deno v2.1.0によって発生したリグレッションの解消が中心のようです。 --watchのバグ修正 引数なしで--watchを使うと、プロセスがパニックする問題が修正されています。 Node.js互換性 .jsファイルの取り扱いに関する修正 Deno v2.1.0における.jsファイルが誤って.tsファイルとして認識されてしまうことのある問題が修正されています。 --unstable-node-globals --unstable-node-globalsが指定された際に、globalThis.Bufferが適切な値を参照するよう修正されています。 deno task ワークスペースのルートで依存関係のあるタスクが定義されている場合、ワークスペースメンバーではなく常にルートで定義されているタスクが参照されるよう修正されています。 deno_stdのリリース deno_stdがリリースされています: release-2024.11.22 @std/http@1.0.11 @std/http@1.0.11がリリースされています。 @std/http/file-server セキュリティに関連する修正が実施されており、もしファイルサーバーを利用されている際はアップデートが推奨されます。 @std/archiveが削除 @std/archiveパッケージが削除されました。@std/tarへの移行が推奨されます。 @std/async@1.0.9 @std/async@1.0.9がリリースされています。 @std/async/unstable-retry @std/async/unstable-retryが追加されています。基本的には@std/async/retryと同様ですが、isRetriableオプションによってリトライを行うかどうかを柔軟に判断できる点が異なります。 @std/csv@1.0.4 @std/csv@1.0.4がリリースされています。 @std/csv/unstable-stringify @std/csv/unstable-stringifyが追加されています。@std/csv/stringifyとの違いとして、与えられた配列の最初の要素を元にカラム名を自動で推論してくれます。 @std/toml@1.0.2 @std/toml@1.0.2がリリースされています。 @std/toml/parse ポジティブなタイムゾーンオフセットが適切に取り扱われるよう修正が行われています。

November 24, 2024