2023/11/13〜2023/11/19の最新情報

ワークスペースのサポートについて DenoにワークスペースをサポートするPRがマージされています。Deno v1.39でリリースされる可能性があるかもしれません。 feat(unstable): Workspaces support #20410 これはdeno.jsonで定義された各ワークスペースごとに独自のImport Mapsを持たせることができる機能のようです。 利用方法 ⚠️この機能は今後使用方法が大きく変わる可能性があります。 以下の構成のプロジェクトがあったとします。 . ├── deno.json ├── main.ts ├── ws-a │ ├── deno.json │ └── mod.ts └── ws-b ├── deno.json └── mod.ts ワークスペースを利用する際は、ルートディレクトリのdeno.jsonでワークスペースとして扱うディレクトリを指定します。 { "workspaces": ["ws-a", "ws-b"], "imports": { "$std/": "https://deno.land/std@0.206.0" } } これにより、ws-aとws-bという2つのワークスペースが認識されます。 ws-a/deno.jsonは以下のように定義します。ここではルートディレクトリとは異なるバージョンのdeno_stdを読み込むよう指定しています。 { "name": "ws-a", "version": "0.0.1", "imports": { "$std/": "https://deno.land/std@0.207.0/" } } ws-a/mod.tsは以下のように書かれていたとします。 export { VERSION } from "$std/version....

November 19, 2023

2023/11/06〜2023/11/12の最新情報

Deno v1.38.1 Deno v1.38.1がリリースされました。 Node.js互換性の改善 require() .jsが見つからなければ.jsonも探すように挙動が改善されました。 BYONMが有効化された際に、scopedパッケージ(@foo/bar)が適切に解決されるように修正されました。 node:crypto createPrivateKey()が実装されました。 node:child_process spawnSync()でstdioオプションが適切に取り扱われるように改善されました。 これにより、execaパッケージが動くようになったようです。 node:util toUSVString()が実装されました。 deno doc --lintの出力内容の改善 deno doc --lintを実行した際の出力内容が変更されました。 今までは、lintに成功した際はAPIドキュメントが表示されました。 このリリースでは、lintに成功した際はAPIドキュメントを表示せず、チェックされたファイル数を表示するように変更されています。 $ deno doc --lint bytes/copy.ts Checked 1 file Deno.AtomicOperation#checkで指定できるキー数の増加 Deno.AtomicOperation#checkが最大で合計100個のキーまでチェックできるように改善されました。(今までは10個が最大値でした) Promise.withResolvers()の型定義の改善 Promise.withResolvers()が返すresolve関数の引数がオプショナルから必須に変更されています。 deno_std v0.206.0 deno_std v0.206.0がリリースされました。 std/async/deferred.tsが非推奨化 Deno v1.38でPromise.withResolvers()が利用できるようになったため、deferred()が非推奨化されました。 std/encoding/binary.tsが削除 非推奨化されていたstd/encoding/binary.tsモジュールが削除されています。 std/path/glob.tsに関するAPIの移動 std/path/glob.tsで提供されていた以下のAPIが移動されています。 API 移動先 isGlob std/path/is_glob.ts globToRegExp std/path/normalize_glob.ts joinGlobs std/path/join_globs.ts std/http/server_sent_event_stream....

November 12, 2023

2023/10/30〜2023/11/05の最新情報

Deno v1.38 Deno v1.38がリリースされました。 以下に内容をまとめたため、よろしければそちらを参照いただければと思います。 Deno v1.38 deno_std v0.205.0 deno_std v0.205.0がリリースされました。 std/httpモジュールの整理 std/http/server.tsが非推奨化されました。今後はDeno.serve()やその周辺APIへの移行が推奨されます。 また、以下の各ファイルがリネームされています。 http/http_status.ts → std/http/status.ts std/http/cookie_map.ts → std/http/unstable_cookie_map.ts std/http/http_errors.ts → std/http/unstable_errors.ts std/http/method.ts → std/http/unstable_method.ts std/http/server_sent_event.ts → std/http/unstable_server_sent_event.ts std/wasiの非推奨化 使用率が高くなかったため、std/wasiが非推奨化されました。 Deno v1.38の公式ブログではwasmer-jsへの移行が推奨されています。 非推奨化されたAPIの削除 std/dotenv: restrictEnvAccessToオプションが削除されました。 deno_std v0.201.0でのstd/dotenvの改善により必要性が低下したため std/bytes/bytes_list.tsが削除されました。 std/csv/parse.ts: 以下のAPIが削除されました。 ERR_BARE_QUOTE ERR_FIELD_COUNT ERR_INVALID_DELIM ERR_QUOTE ParseError ReadOptions std/fs/walk.ts: canonicalizeオプションが追加 walk()にcanonicalizeオプションが追加されました。 このオプションはfollowSymlinksオプションがtrueのときのみ効果を持ちます。 このオプションにfalseが設定された場合、シンボリックリンク解決後のパスが正規化されなくなります (デフォルトはtrueのため、互換性には影響ありません) std/fs/expand_glob.ts: パーミッションの取り扱いの改善 expandGlob()にrootオプションまたは絶対パスが指定された際は、ファイルシステム全体への--allow-read権限を要求しないように挙動が改善されました。 denokv v0.1.0 denokv v0....

November 5, 2023

Deno v1.38

Deno v1.38がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 deno doc deno doc --lint deno docコマンドで--lintオプションがサポートされました。 $ deno doc --lint mod.ts Missing JS documentation comment. at file:///home/uki00a/ghq/github.com/uki00a/some-project/mod.ts:12:3 このオプションを指定すると、DenoはAPIドキュメントを出力する前に、各APIを検査します。そして以下のようなAPIが検出された場合、APIドキュメントを出力せずにエラーを表示します。 exportされているAPIにJSDocコメントが書かれていない場合 (Missing JS documentation comment.) exportされているAPIの戻り値の型定義が省略されている場合 (Missing return type.) exportされている型のプロパティがexportされていない型を参照している場合 (Type 'foo' references type 'Bar' which is not exported from a root module.) このエラーが発生した場合、そのexportされていない型に@internalを指定することでエラーを抑止できます deno doc --html deno docでAPIドキュメントのHTML形式での出力がサポートされました。 --htmlを指定すると、docsディレクトリにHTMLが出力されます。 $ deno doc --html --name=fresh-testing-library mod.ts Written 261 files to "./docs/" docs/index.htmlを開くことで作成されたAPIドキュメントを閲覧できます。...

November 5, 2023

2023/10/23〜2023/10/29の最新情報

denoland/denokv denoland/denokvというリポジトリが公開されています。 今後、Deno KVのSQLiteバックエンドやgRPCのスキーマの定義などはこのリポジトリで開発される想定のようです。 現在、Deno本体ではdenoland/denokvへの移行が行われているようです。 chore: update ext/kv to use denokv_* crates #20986 BYONMのサポートについて Deno本体でnpmなどで作成されたnode_modulesディレクトリ(BYONM)をサポートするPRがマージされています。Deno v1.38でリリースされるかもしれません。 feat(unstable): ability to npm install then deno run main.ts #20967 ⚠️この機能は実験的機能のため、今後、使い方などに変更が入る可能性があります。 例えば、以下のようにnpmでkoaパッケージがインストールされていたとします。 $ npm i koa npmによってインストールされたkoaパッケージをnpm:なしで読み込むJavaScriptファイルを用意します。 // index.js import Koa from "koa"; const app = new Koa(); app.use(async (ctx) => { ctx.body = "Hello Deno!"; }); app.listen(3000); この状態で--unstable-byonmオプションを指定すると、npmによって作成されたnode_modulesディレクトリからkoaパッケージが読みこまれます。 $ deno run --unstable-byonm --allow-net --allow-read --allow-env index....

October 29, 2023

2023/10/16〜2023/10/22の最新情報

fresh v1.5.2 fresh v1.5.2がリリースされています。 <a>要素のアクセシビリティに関する改善 fresh v1.5で<a>にdata-current/data-ancestorを付与する機能が入りました。 このリリースではさらに<a>に対してaria-current属性も設定されるように改善されています。 aria-current=page: data-currentが付与される場合、この属性も一緒に付与されます。 aria-current=true: data-ancestorが付与される場合、この属性も一緒に付与されます。 https://github.com/denoland/fresh/pull/1915 devサーバとブラウザとのやり取りがWebSocketベースで行われるように devサーバとブラウザとのやり取りがEventSourceベースからWebSocketベースへ移行されているようです。 Firefoxにおいて接続が切れてしまうことのある問題(#1765)の解消や将来的なHMRのサポートなどを視野に入れた変更のようです。(後述) https://github.com/denoland/fresh/pull/1943 https://github.com/denoland/fresh/pull/1944 DenoでのHMRのサポートについて Deno本体にHMRをサポートするためのPRが作成されています。 feat: deno run –unstable-hmr (#20876) まだ正式に入るかどうかはわからないものの、HMRを有効化するための--unstable-hmrオプションの導入や、ファイル変更時にCustomEvent経由で通知をすることなどが検討されているようです。

October 22, 2023

2023/10/09〜2023/10/15の最新情報

fresh v1.5 fresh v1.5がリリースされました。 以下に内容をまとめたため、よろしければそちらを参照いただければと思います。 fresh v1.5 Deno v1.37.2 Deno v1.37.2がリリースされました。 Deno.serve Deno.serveでUnixドメインソケットがサポートされています。(unstable) Deno.serveのpathオプションを指定することで有効化されます。 また、Deno.serveから返却されるDeno.Serverがthenableオブジェクトではなくなりました。 これにより、async関数から直接Deno.Serverをreturnできなかった問題が解消されたようです。 TransformStreamでキャンセルがサポート (cancelオプションの追加) readableがキャンセルされたタイミング または writableが中断されたタイミングでcancelオプションに指定された関数が呼ばれるようです。 TransformStream cleanup using “Transformer.cancel” (whatwg/streams#1283) deno jupyter deno.land/x/displayのDeno本体への追加 deno.land/x/displayがDeno本体に取り込まれたようです。 これにより、以下のAPIが追加されています。 Deno.jupyter.display Deno.jupyter.md Deno.jupyter.html Deno.jupyter.svg Deno.jupyter.format Deno.jupyter.broadcast Deno.jupyter.broadcastに以下のオプションが追加されています。 metadataオプション buffersオプション (バイナリデータを送信したい場合に使用できます) Deno.testのサポート deno replやdeno jupyterでDeno.testがサポートされています。 $ deno repl Deno 1.37.2 exit using ctrl+d, ctrl+c, or close() > Deno.test(function ok() {}); ok ....

October 15, 2023

fresh v1.5

fresh v1.5がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 Partials SPAライクなクライアントサイドでのページ遷移を実現するためにPartialsという機能が導入されました。 基本的な使い方 以下のコードを例に見てみます。 // routes/docs/[id].tsx import { Partial } from "$fresh/runtime.ts"; export default function Page({ docs, currentDoc }: { docs: Array<Doc>, currentDoc: Doc }) { return ( <> <Sidebar docs={docs} /> <Partial name="docs-main-content"> <MainContent doc={currentDoc} /> </Partial> </> ); } function Sidebar({ docs }: { docs: Array<Doc> }) { return ( <nav f-client-nav> <ul class="flex flex-col gap-2"> {docs....

October 15, 2023

2023/10/02〜2023/10/08の最新情報

WebGPU APIの再導入について Deno v1.32で一時的に削除されていたWebGPU APIを再度導入するPRが作成されています。 bring back WebGPU #20812 まだマージはされていませんが、今後、再びWebGPU APIが導入される可能性がありそうです。 denoland/terraform-provider-deno Deno公式からDeno DeployのTerraformプロパイダーが公開されています。 denoland/terraform-provider-deno Ree.js Bun/Deno/Node.jsなどをサポートする軽量・高速なWebフレームワーク。 https://github.com/rovelstars/reejs 以下のような特徴を備えているようです。 React/Twindなどをサポート esm.shなどのCDNからのURLインポートをサポート npm:<パッケージ名>によるnpmパッケージの読み込みをサポート Import Mapsのサポート Packitという独自のビルドツールの採用 Honoベースの高速なサーバー ファイルシステムベースのルーティングシステム 以下で作者の方による紹介記事が書かれています。 Welcome to the dark side. Ree.js awaits you!

October 8, 2023

2023/09/25〜2023/10/01の最新情報

Deno v1.37.1 Deno v1.37.1がリリースされました。 deno lsp 現在のファイルの全依存モジュールをキャッシュするQuickFixアクションが実装されています。(Cache all dependencies of this module.) また、deno lspでリモートのImport mapsのサポートも追加されています。 deno test Deno.testやDeno.TestContext.stepなどによるテストケースの登録がDeno v1.37から2倍近くまで高速化されています。 deno jupyter: Deno.jupyter.broadcastが追加 (unstable) Denoからdisplay_dataやupdate_display_dataメッセージを送信するためのメソッドのようです。 Deno.jupyter.broadcast Deno KV Deno.Kv#enqueueのdelayオプションに設定できる最大値が30日まで増加されました。 Node.js互換性 node:crypto: randomFillSync()にArrayBufferなどを渡すと、TypeErrorが発生する問題が修正されています。 package.json: exportsフィールドがnullだった場合、プロセスがパニックする問題が修正されています。 deno_std v0.203.0 deno_std v0.203.0がリリースされました。 std/ioが非推奨化 std/ioはDeno.ReaderとDeno.Writerベースの機能が提供されていたため、非推奨化されました。 std/encoding: encode/decodeが非推奨化 std/encodingの各モジュールで提供されていたencodeとdecodeが非推奨化されています。今後は、以下の関数への移行が推奨されます。 std/encoding/ascii85.ts: encodeAscii85/decodeAscii85 std/encoding/base32.ts: encodeBase32/decodeBase32 std/encoding/base58.ts: encodeBase58/decodeBase58 std/encoding/base64.ts: encodeBase64/decodeBase64 std/encoding/base64url.ts: encodeBase64Url/decodeBase64Url std/encoding/hex.ts: encodeHex/decodeHex std/front_matter 他のモジュールとの一貫性の向上のため、以下の各ファイルで提供されていたdefault exportが非推奨化されました。 std/front_matter/any.ts std/front_matter/json.ts std/front_matter/toml.ts std/front_matter/yaml.ts std/collections - 一部関数の引数がArrayからReadonlyArrayへ変更 以下の各関数の引数がArrayではなくReadonlyArrayを受け取るように修正されています。(std/collectionsの他の関数との一貫性の向上が目的)...

October 1, 2023