2025/12/15〜2025/12/21の最新情報

Deno v2.6.1 Deno v2.6.1がリリースされています。 deno x - Windows向けの改善 Deno v2.6.0で実装されたdeno xコマンドについて、Windows向けの改善が実施されています。 まずWindowsにおいてdxコマンドが実行できなかった問題が修正されています (#31573) また、Winodwsでdeno xによってネイティブバイナリーを実行できるようにする改善が実施されています (#31551) deno add - jsrパッケージのダウンロードに関する挙動の修正 deno addコマンドでjsrパッケージを追加した際に、該当パッケージ内における type-only import 先のモジュールがダウンロード対象から除外されてしまう問題が修正されています (#31552) deno deploy - deploy.appの省略がサポート deno.jsonのdeployフィールドにおいて、appフィールドの設定を省略できるよう改善されています (#31567) --require/--preloadに関する修正 --require及び--preloadオプションがdeno bundleなどの非ランタイムコマンドでも利用できていた問題が修正されています (#31614) node:sqlite 様々な改善が実施されています (#31515) DatabaseSync#location()が実装 DatabaseSyncでtimeoutオプションがサポート DatabaseSyncのisOpen及びisTransactionプロパティーが実装 DatabaseSyncコンストラクタ及びbackup()のpath引数においてURL及びBufferによる指定がサポート Stream関連の型定義の改善 Deno v2.6.0におけるStreamの移譲のサポートに合わせて、MessagePort#postMessage()のtransferオプションなどで、ReadableStream/WritableStream/TransformStreamを受け入れるよう型定義が改善されています (#31586) Deno v2.6.2 Deno v2.6.2がリリースされています。 deno sandbox Deno Sandboxesと連携するためのdeno sandboxコマンドが追加されています (#31568, #31657) 内部的には@deno/deployパッケージ経由で@deno/sandboxパッケージが実行されており、deno sandbox createコマンドによるサンドボックスの作成、deno sandbox execコマンドによるサンドボックス内でのコマンドの実行などがサポートされているようです (参考: @deno/deploy@0.0.75/sandbox.ts) OpenTelemetry 下記APIが動作するよう、Baggage などに関する実装が修正されています (#31620)...

December 21, 2025

2025/12/08〜2025/12/14の最新情報

Deno v2.6 Deno v2.6.0がリリースされました。 以下のページに変更内容をまとめているため、よろしければ参照ください: Deno v2.6 Deno Sandboxes Denoの公式ドキュメントにDeno Sandboxesに関するページが追加されています。 initial commit for sandboxes pages #2754 Deno Sandboxesでは、公式SDK (jsr:@deno/sandbox) を介してDeno Deployのインフラ上で即席のLinux VMを立ち上げ、そこでコードやコマンドの実行など様々なことを行うことができるサービスのようです。 Deno Sandboxesについては、Deno Advent Calendarで本日に公開された@okutann88さんの記事でも解説されています。 @deno/sandbox による任意コード実行と強制停止

December 14, 2025

2025/11/24〜2025/11/30の最新情報

Deno Deployのアップデート Deno Deployのchangelogが更新されています。 2025-11-24 Deploy changelog (denoland/docs#2742) このアップデートでは--tunnelオプションについて言及されています。このオプションにより、Deno Deploy が発行した一時的なパブリックドメインからローカルアプリケーションへのアクセスが行えるようです。また、--tunnelオプションに関する公式ドキュメントも追加されています (#2736) 全てのOrganizationで請求が有効化されたようです。デフォルトではFreeプランが使用されるとのことです。 また、Googleアカウントを使用したDeno Deployへのサインインがサポートされています。 Deno DeployがOIDCトークンの発行をサポートしたようです。関連パッケージとしてjsr:@deno/oidcが公開されています。 それ以外にも、カスタムのTLS証明書のサポートやビルドに関するタイムアウトやメモリ割当のカスタマイズなど、様々な改善が実施されているようです。 @lowlighter/vercel-deno Vercel上でDenoを動作させるための@lowlighter/vercel-denoパッケージが公開されています。 リポジトリ: https://github.com/lowlighter/vercel-deno パッケージ: @lowlighter/vercel-deno vercel-community/denoがしばらくメンテナンスされていないことや、現時点における最新のDenoの規約 (deno serveなど) に追従することなどを目的に開発されているようです。

November 30, 2025

2025/10/20〜2025/10/26の最新情報

Denoの直近のアップデート typescript-goのサポートがマージ (--unstable-tsgo) 以前に紹介した、deno checkコマンドでtypescript-goをサポートするPRがマージされています (#30920)。まだリリースはされていませんが、canary バージョンで動作を試すことが可能です。 deno checkを実行する際に--unstable-tsgoオプションを指定することで、まずdenoland/typescript-goが${DENO_DIR}/dlへダウンロードされます。 その後、--apiオプションを指定して起動されたtsgoとプロセス間で通信することによって型チェックが実行されているようです (microsoft/typescript-go/cmd/tsgo/main.go#L19-L20) $ deno check --unstable-tsgo mod.ts 詳細はdenoland/deno/docs/tsgo.mdにて解説されています。 deno.jsonでのminimumDependencyAgeのサポート 先週に紹介した、deno.jsonでのminimumDependencyAgeのサポートがマージされています (#31007) さらに、特定のパッケージを対象から除外できるよう、minimumDependencyAgeにおいてオブジェクト形式での設定がサポートされています: feat(unstable): ability to exclude packages from minimum dependency age constraint #31031 minimumDependencyAge.ageフィールドに猶予期間、minimumDependencyAge.excludeフィールドに適用対象から除外したいパッケージを指定できます。 { "minimumDependencyAge": { "age": "PT5H", "exclude": ["npm:preact"] } } deno auditコマンド 以前に紹介した、deno auditコマンドの実装がマージされています。 feat(unstable): add deno audit subcommand #30966 npmレジストリの Full Audit エンドポイント (/-/npm/v1/security/audits) を利用したパッケージの検査がサポートされています。 内部的には firewall-api.socket.dev を使用した検証の実装も含まれているようですが、現時点ではまだユーザーから利用するための手段は提供されていなさそうです。 ecosystem_compat_test 内部的な変更ではありますが、日次でnpm/ yarn/pnpmをDenoで実行し、互換性を検証する仕組みが導入されています:...

October 26, 2025

2025/09/29〜2025/10/05の最新情報

Deno v2.5.3 Deno v2.5.3がリリースされています。 パーミッションブローカー (DENO_PERMISSION_BROKER_PATH) 先週に紹介したパーミッションブローカーがリリースされました (#30826) 先週に紹介した時点からの差分として、追加で以下の改善が実施されています: レスポンスでreasonフィールドがサポート (#30902) 任意でこのフィールドに文字列を設定することで、権限が拒否された際にユーザーへ表示されるメッセージをカスタマイズできるようです。 Windows でのパーミッションブローカーのサポート (#30894) DENO_PERMISSION_BROKER_PATHに名前付きパイプへのパスを指定することで有効化できるようです。 deno check cloudflare:などのDenoがサポートしないURLスキームが検出されるとエラーが発生する問題が修正されています (#30904)。v2.5.2によるリグレッションであったようです (#30898) また、deno checkコマンドで--v8-flagsオプションがサポートされています (#30868) deno run --watchオプションが指定され かつ Deno.addSignalListener()によってSIGINTへのリスナーを登録してる場合、プロセスがSIGINTで終了しなくなる問題が修正されています (#30635) Deno API Deno.FsFile#stat()のパーミッションの見直し read: falseを指定して実行したDeno.open()から返却されたDeno.FsFileに対してstat()メソッドを呼んだ際に、該当ファイルに対する--allow-read権限が要求されるよう挙動が変更されています (#30876) Deno.FsFile#utime()のパーミッションの見直し write: falseを指定して実行したDeno.open()から返却されたDeno.FsFileに対してutime()メソッドを呼んだ際に、該当ファイルに対する--allow-write権限が要求されるよう挙動が変更されています (#30872) Node.js互換性の改善 node:sqlite --allow-allが指定されている場合のみ ATTACH DATABASE の実行がサポートされました (#30763) node:timers/promises setTimeout()でsignalオプションがサポートされています (#30855) bundleDependencies bundleDependenciesおよびbundledDependenciesの両方が定義されたnpmパッケージをインストールするとエラーが発生する問題が修正されています (#30875) Tunnelling Deno v2.4.1で実装された--connectedオプションが--tunnelにリネームされています (#30786) typescript-goとの統合について (--unstable-tsgo) まだマージはされていないですが、deno checkでtypescript-goを利用できるようにするPRが作成されています: feat(unstable): typescript-go integration for deno check #30920 c0fde0e81ec6c7b5e5e7512b2958be93bb3e41fbの時点においては、--apiオプションを指定して子プロセスとして起動したtsgoとプロセス間で通信することによって統合が実現されているようです。...

October 5, 2025

2025/09/22〜2025/09/28の最新情報

Deno v2.5.2 Deno v2.5.2がリリースされています。 deno lsp deno lspでdescribe()/it()で定義されたテストの検出と実行がサポートされています (#30802) deno bundle deno bundle --watchにHTMLエントリーポイントを指定している場合、変更の検出時に出力されたHTMLファイルが適切にビルドされない問題が修正されています (#30790) また、deno bundleで--frozenのサポートが追加されています (#30825) deno coverage Worker内のコードに対してもカバレッジが計測されるよう改善されています (#30807) TypeScript compilerOptions.pathsのサポート deno checkコマンドでcompilerOptions.pathsがサポートされています (#30766) Uint8Arrayに Base64/Hex 関連のAPIに関する型定義が追加 Deno v2.5.0におけるV8のアップデートに伴い、下記APIの型定義が追加されました (#30686): Uint8Array#toBase64() Uint8Array#setFromBase64() Uint8Array#toHex() Uint8Array#setFromHex() Uint8Array.fromBase64() Uint8Array.fromHex() Promise<undefined> から Promise<void> への変更 TypeScript 公式の型定義に合わせて、以下の各プロパティーの型定義が Promise<undefined> から Promise<void> へ変更されています (#30820): ReadableStreamGenericReader#closed WritableStreamDefaultWriter#closed WritableStreamDefaultWriter#ready WebTransport#ready WebSocket Deno 2.5.1からWebSocketの接続時にUser-Agentヘッダーが送信されなくなっていた問題が修正されています (#30758) node:fs statfs()でpath引数にBufferの指定がサポートされています (#30662) また、readFile()でencoding: "binary"の指定時にStringを返すよう挙動が修正されています (#30830) node:crypto timingSafeEqual()にArrayBufferのサポートが追加されています (#30773)...

September 28, 2025

2025/08/25〜2025/08/31の最新情報

Deno v2.5 向けの機能の追加について Deno 2.5.0 向けのマイルストーンに関連して、新機能を実装するためのPRがいくつか作成されているため、紹介します。 Deno.testへのbefore*/after*フックのサポート まだマージはされていませんが、Deno.test配下に Vitest や Jest ライクなbefore*/after*APIをサポートするPRが作成されています: feat(test): Add setup and teardown APIs to Deno.test API #30504 af75749のコミットの時点では、以下の4つのフックが実装されています: Deno.test.beforeAll() Deno.test.afterAll() Deno.test.beforeEach() Deno.test.afterEach() Deno.ChildProcess.{stdout,stderr}へのResponseライクな問い合わせメソッドの追加 Deno.ChildProcessのstdout及びstderrプロパティーにおいて、Responseライクに出力内容を取得するためのユーティティーメソッドを追加するPRが作成されています: feat(ext/process): add collector utilities to ChildProcess.stdout & ChildProcess.stderr #30552 const command = new Deno.Command(Deno.execPath(), { args: ["json_reference"], stdout: "piped", }).spawn(); const json = await command.stdout.json(); 852714eのコミットの時点においては、以下の4つのメソッドが実装されています: arrayBuffer bytes json text Fresh v2 関連のアップデート @fresh/init@2....

August 31, 2025

2025/08/18〜2025/08/24の最新情報

Deno v2.4.5 Deno v2.4.5がリリースされています。 deno lsp Pull Diagnostics deno lspでPull Diagnosticsが実装されています (#30325) workspace/willRenameFilesの改善 .jsから.tsへのリネームが適切に動作するよう改善されています (#30458) deno install DENO_INSTALL_ARCH環境変数 DENO_INSTALL_ARCH環境変数がサポートされています (#30473) DENO_INSTALL_ARCH=aarch64のように指定することで、deno installによってインストールされる際に取得されるnpmパッケージを変更できます。 出力の改善 インストールされたパッケージ名が表示されるよう出力が改善されています (#30387) ❯ deno install Packages: 9 +++++++++ Resolved: 9, reused: 0, downloaded: 9, added: 9 Dependencies: + jsr:@david/dax 0.41.0 + jsr:@david/which 0.4.1 + jsr:@std/assert 0.221.0 + jsr:@std/bytes 0.221.0 + jsr:@std/fmt 0.221.0 + jsr:@std/fs 0.221.0 + jsr:@std/io 0.221.0 + jsr:@std/path 0.221.0 + jsr:@std/streams 0.221.0 --entrypointの改善 deno.jsonのexcludeで除外されているモジュールが--entrypoint (-e) でエントリーポイントに指定された際に、ダウンロードが実行されない問題が修正されています (#30442)...

August 24, 2025

2025/08/11〜2025/08/17の最新情報

Deno v2.4.4 Deno v2.4.4がリリースされています。 Web API EventSourceでヘッダーのカスタマイズがサポート EventSourceでheadersオプションがサポートされています (#30278) Deno独自のオプションのようで、リモートリソースへ接続する際に送信されるヘッダーをカスタマイズできます。 Deno KV - 環境変数の追加 Deno KV向けに以下の環境変数がサポートされています (#30320) 環境変数 概要 DENO_KV_DEFAULT_PATH Deno.openKv()にデータベースパスが指定されたなかった際のデフォルトのパスを指定できます DENO_KV_PATH_PREFIX 指定されると、Deno.openKv()に指定されたデータベースパスに、この環境変数の値がプレフィックスとして結合されます deno repl - --jsonオプションが追加 deno replコマンドに--jsonオプションが追加されています (#30307) このオプションが指定されると、Denoがファイルディスクリプター3にパイプを作成し、それを介してJSONメッセージを送信することで、Denoに指定したコードを動的に実行させる仕組みのようです。まず後続のペイロード長をリトルエンディアン形式の32ビット整数として書き込み、その後に { type: "Run", code: "<code>", output: true, }形式のJSONペイロードをパイプに書き込むことで、指定された<code>をDenoが実行し、その結果をパイプ経由で読み込むことができるようです。 deno bundle package.jsonの取り扱いの改善 require()によってパッケージのサブディレクトリを指定した際に、package.jsonの内容が考慮されるよう挙動が改善されています (#30253) また、ESM形式のモジュールからpackage.jsonを持つディレクトリへのimportがサポートされています (#30273) Conditional exports に関する改善 --platform=browserが指定されたら、npmパッケージのbrowserもしくはimport conditionsが解決されるように挙動が変更されています (#30250) deno compile - Deno.build.standaloneに関するバグ修正 deno compileによって生成された実行可能ファイルにおいて、Worker内だとDeno.build.standaloneが未設定になってしまう問題が修正されています (#30335)...

August 17, 2025

2025/07/21〜2025/07/27の最新情報

Deno Deploy EA におけるデータベースのサポートについて Deno Deploy EAアプリケーションからのPostgreSQLへの接続サポートが追加されているようです: Feat: Deploy EA Databases (#1908) Deploy EA changelog for 21 July 2025 (#2384) あらかじめ Deno Deploy のダッシュボードから登録しておいたデータベースを Deno Deploy アプリケーションに割り当てることが出来るようです。 Deno Deploy は本番やプレビューなどの各環境ごとに自動でデータベースを作成し、各環境のアプリケーションに対してPGHOST/PGPORT/PGDATABASEなどの環境変数を自動で割り当ててくれるため、特に設定をせずともnode-postgresなどのパッケージによって適切なデータベースへ接続が出来る仕組みのようです。 現時点ではPostgreSQLのみがサポートされており、今後、MySQLやMongoDB, Redisなどのサポートも検討されているようです (Supported Database Engines) Fresh v2 に関する直近でのアップデート まだFresh v2は正式リリースされたわけではないですが、直近でいくつか大きな変更が実施されているため、紹介します。 Tailwind CSS v4のサポート @fresh/plugin-tailwind@0.0.1-alpha.8がリリースされています。このリリースではTailwind CSS v4がサポートされています (#3054) @fresh/plugin-tailwind-v3というパッケージも追加されており、Tailwind CSS v3についてはこのパッケージからサポートが提供されます (#3135) 公式ミドルウェアの拡充 CORS (#3013) や CSRF (#3018) 向けのミドルウェアがFreshの公式リポジトリに追加されています。これらは@fresh/coreパッケージから提供されています。 ユーザーコードをimportせずにビルドできるようにする変更 今まで、ビルドを実行する際にユーザーコードをimportしていた関係で、一部のケースにおいてFreshのビルドが終了しなくなってしまう問題の修正が行われています (#3122) この変更の影響として、ファイルベースの Route の登録方法が変更されています。ファイルベースの Route を有効化したい場合、fsRoutes()ではなくApp#fsRoutesを実行する必要があるようです。(ファイルベースの Route はBuilderによって処理されるよう挙動が変更されているようです)...

July 27, 2025