2025/05/26〜2025/06/01の最新情報

Deno v2.3.4 & v2.3.5 Denoのv2.3.4とv2.3.5がリリースされています。 CLI --unstable-subdomain-wildcardsが追加 --unstable-subdomain-wildcardsオプションが追加されています (#29327) --allow-netにおいてサブドメインに対するワイルドカード指定が有効化されます: $ deno run --unstable-subdomain-wildcards --allow-net='*.github.com' main.mjs DENO_UNSTABLE_SUBDOMAIN_WILDCARDS環境変数によって有効化することも可能です。 DENO_USR2_MEMORY_TRIM環境変数の導入 DENO_USR2_MEMORY_TRIMという環境変数が導入されています (#29295) この環境変数が設定された場合、SIGUSR2シグナルが受信された際に、Denoがmalloc_trim(0)でヒープの開放を行ってくれます。この環境変数はLinuxでのみ利用可能です。おそらく、後述するDeno Deploy Early Accessに関連した変更ではないかと思われます。 --frozenオプションの拡充 deno uninstallやdeno docなどの一部コマンドで--frozenオプションがサポートされていなかった問題が修正されています (#29508) Web API globalThis.performanceの取り扱いの変更 ユーザーコードとnpmパッケージとの間でglobalThis.performanceが同一のオブジェクトが共有されるよう挙動が変更されています (#29323) 今までは、ユーザーコードとnpmパッケージ中のコードにおいてglobalThis.performanceが異なるオブジェクトを参照していました。具体的には、ユーザーコードではWeb Performance APIsにおけるPerformanceオブジェクト、npmパッケージ中のコードではnode:perf_hooksモジュールのPerformanceオブジェクトがそれぞれ参照されていました。 今回のリリースに伴い、ユーザーコードとnpmパッケージ中のコードの両方がglobalThis.performanceによってnode:perf_hooksモジュールのPerformanceオブジェクトを参照するよう挙動が変更されています。 WebGPU Deno.UnsafeWindowSurfaceにresize()というメソッドが実装されています (#29254) このメソッドはウィンドウのサイズが変更された際に呼ばれることが想定されています。 また、GPUQueue#onSubmittedWorkDoneが実装されています (#29255) deno lsp deno/testRunの改善 deno lspから実行したテストが失敗した際に、Deno.test()の行ではなく実際にエラーが発生した行にエラーが表示されるよう改善されています (#29221) プロジェクト外のdeno.jsonの参照がサポート .vscode/settings.jsonのdeno.configにおいて、プロジェクト外のdeno.jsonの指定がサポートされています (#29420) Auto importの改善 Workspaceメンバーに対する相対パス形式ではなく bare specifier によってimportが追加されるよう改善されています (#29304) また、deno.jsonのpatchで指定されたjsrパッケージに対して、相対パス形式でimportが追加される問題が修正されています (#29437) deno task - タスクのワイルドカード指定に関するバグ修正 deno task check:*のようにワイルドカード形式でタスクを指定した場合、先頭一致ではなく部分一致によってタスクが探索されてしまう問題が修正されています (#29343)...

June 1, 2025

2025/05/19〜2025/05/25の最新情報

Reports of Deno’s Demise Have Been Greatly Exaggerated Denoの公式ブログで以下のような記事が公開されています: Reports of Deno’s Demise Have Been Greatly Exaggerated この記事では、先週の Fresh v2 に関する紹介に続けて、現在のDeno DeployやDeno KVにおいての直近での取り組みや今後について紹介されています。具体的には以下のような取り組みなどが進められているようです: 特定のリージョンへのアプリケーションの固定のサポート 自身のクラウド内でのアプリケーション実行のサポート (推測ではありますが、Deno Deploy NextGenのことを指している可能性が高いのではないかと思います) Deno Deployから関係データベースの利用をよりシンプルにするための取り組み Cloudflare Durable Objectsに影響を受けた状態管理のための仕組み これらについては、今後、詳細が共有される計画のようです。 deno deployサブコマンドについて まだマージはされていませんが、Deno本体にdeno deployサブコマンドを実装するPRが作成されています: feat: deploy subcommand (denoland/deno#29407) 内部的には@deno/deployパッケージを実行している模様で、プロジェクト内の各ファイルをDeno Deployにアップロードする機能などが提供されているようです。 先程紹介したDeno公式の Reports of Deno’s Demise Have Been Greatly Exaggerated の記事において、Denoは単純なJavaScriptランタイムではなくプラットフォームであることを意識されているようで、この変更もその一環ではないかと思われます。 参考 1461910 jsr:@deno/deploy@0.0.2 Deno SvelteKit adapter (@deno/svelte-adapter) Deno公式からSvelteKit向けのアダプター (@deno/svelte-adapter) が公開されています:...

May 25, 2025

2025/05/12〜2025/05/18の最新情報

Deno v2.3.2 & v2.3.3 Deno v2.3.2とDeno v2.3.3がリリースされています。 https://github.com/denoland/deno/blob/395878c5fb72d87a44f7c88ce9f391acc31feab3/Releases.md#233--20250516 deno lint deno lintプラグインでコメントの取得がサポートされています (#29189) SourceCodeクラス (RuleContext.sourceCodeからアクセス可能) にgetAllComments()/getCommentsBefore()/getCommentsAfter()/getCommentsInside()メソッドが追加されています。 また、Programにもcommentsプロパティーが追加されています。 deno coverage deno coverage --htmlで生成されるHTMLレポートで、OS設定に基づいてlightとdarkテーマが切り替わるように改善されています (#29267) deno jupyter - 複数カーネルの管理がサポート deno jupyterコマンドで複数のカーネルをインストール・管理するための機能が導入されています (#29249) --nameオプション deno jupyterコマンドに--nameオプションが追加されています。 --installオプションとともに--nameオプションが指定されると、カーネルがインストールされる際のディレクトリ名を変更できます (デフォルトはLinuxだと~/.local/share/jupyter/kernels/denoで、--name deno-canaryを指定すると~/.local/share/jupyter/kernels/deno-canaryにインストールされます) --installが省略された場合、--nameオプションによって指定された名前でkernel.jsonがインストールされているか確認できます。 deno jupyter --install --display <name> deno jupyter --installに--displayオプションが追加されています。 このオプションを指定することで、kernel.jsonのdisplay_nameをカスタマイズできます (デフォルトはDeno) deno jupyter --install --force deno jupyter --installに--forceオプションが追加されています。 このオプションを指定すると、カーネルがすでにインストール済みである際も強制的にカーネルを再インストールしてくれます。 deno check Ambient moduleに関する挙動の改善 Ambient moduleによって型が定義されたパスに対して発生する型エラーが無視されるよう挙動が変更されています (#29135) 例えば、Ambient moduleによって*.svgに対する型定義が定義されていたら、*.svgに対するimportによって型エラーが起きぬように改善されています。 deno.lock deno.lockの更新タイミングが型チェックの実行前から実行後へ変更されています (#29265) 型チェックの実行時にはじめて@types/nodeが必要となるケースがあるため挙動が変更されたようです。...

May 18, 2025

2024/09/30〜2024/10/06の最新情報

The Final Touches: What’s New In v2.0.0-rc.10 後述するDeno v2.0.0-rc.10に関する記事がDeno公式ブログで公開されています: The Final Touches: What’s New In v2.0.0-rc.10 上記の記事によると、Deno v2の正式リリースについては今週に予定されているようです。 Deno Deploy NextGen Deno公式からDeno Deploy NextGenが公開されています: Deno Deploy NextGen これはKubernetesクラスター上でユーザーがDeno Deployのインフラストラクチャーを実行するための基盤のようで、現時点だとAWSとAzureがサポートされているようです。 Deno v2.0.0-rc.8/v2.0.0-rc.9/v2.0.0-rc.10がリリース Denoのv2.0.0-rc.8〜v2.0.0-rc.10がリリースされています: v2.0.0-rc.7からv2.0.0-rc.8までの差分 v2.0.0-rc.8からv2.0.0-rc.9までの差分 v2.0.0-rc.9からv2.0.0-rc.10までの差分 破壊的変更 URLPattern#execの振る舞いの変更 Deno v1.46.0で導入され、 Deno v1.46.1で取り消されたURLPattern#execの振る舞いの変更が改めて実施されました。 URLPattern#execでパターンにマッチするグループがない場合にgroups[key]にundefinedが設定されるように振る舞いが変わります。 Revert “fix(urlpattern): fallback to empty string for undefined group values” #25961 $DENO_DIR/depsが$DENO_DIR/remoteへリネーム リモートからダウンロードされた依存関係のグローバルキャッシュとして利用される$DENO_DIR/depsディレクトリが$DENO_DIR/remoteへリネームされました。 DENO_DIRの操作を行うツールやライブラリなどを除いて、基本的にはこの変更による影響は特にないはずです。 BREAKING: rename “deps” remote cache folder to “remote” #25969 deno lsp npm:@types/*を追加するQuick fixのサポート 自前で型定義を持たないnpmパッケージに対して// @deno-types=\"npm:@types/*"を追加するQuick fixが実装されています。(Add @deno-types directive for \"<package>\")...

October 6, 2024

2024/08/26〜2024/09/01の最新情報

Deno v2.0.0-rc.0 Deno v2.0.0-rc.0がリリースされています。 アップデートについて 今回、GitHub Releaseは作成されていないようなので、deno upgradeによってアップデートする必要がありそうです。RCバージョンへのアップデートはDeno v1.46でサポートが入っているため、それ以前のバージョンをお使いの場合は、一度、v1.46を経由してからアップデートする必要がありそうです。 $ deno upgrade 2.0.0-rc.0 もし現在のDenoの実行可能ファイルを上書きしたくない場合は、--outputオプションを使えば回避できます: # `./deno-2.0.0-rc.0`に保存します $ deno upgrade --output deno-2.0.0-rc.0 2.0.0-rc.0 直近の変更点について コミットログを参考に、v2.0.0-rc.0に入っている可能性がありそうな内容について紹介します ⚠️ここで書いている内容には推測も含まれています。もし機能が入っていなそうでしたら、すみません🙏 DENO_FUTURE=1設定時の振る舞いのデフォルト化 DENO_FUTURE=1を設定した際の振る舞いがデフォルト化されたようです。 BREAKING: DENO_FUTURE=1 by default, or welcome to Deno 2.0 (#25213) 具体的には、以下のような変更がデフォルトで適用されます: Deno.*配下の非推奨APIが削除されます window変数が削除されます FFIやWebGPU APIなどが--unstable-*なしでも有効化されます Import Assertionが無効化されます package.jsonがあればBYONMがデフォルトで有効化されます --node-modulesオプション Deno v2 向けに--node-modulesというフラグが追加されています。 ⚠️上記のコミットログ内に含まれているため紹介しますが、試したところうまく動いていないようにも見えるので、もしかしたらこの変更はまだv2.0.0-rc.0には入っていない可能性もあるかもしれません🙏 feat(config): Node modules option for 2.0 (#25299) 以下の3種類のモードが指定できるようです: モード 説明 備考 local-auto おそらく、Denoがnode_modules/を作成してくれるモード local-manual おそらく、BYONMが有効化されます v2ではpackage....

September 1, 2024

2024/04/01〜2024/04/07の最新情報

Deno v1.42.1 Deno v1.42.1がリリースされています。 deno publish compilerOptions.{noUnusedParameters,noUnusedLocals}にtrueが設定されていると、deno publishの実行時にリモートモジュールで型エラーが発生する問題が修正されています。 node:tty ReadStreamでTypeError: Cannot read properties of undefinedエラーが発生する問題が修正されています。 Introducing Simpler Project Creation in Deno Deploy Deno公式からDeno Deployのアップデートに関する記事が公開されています。 Introducing Simpler Project Creation in Deno Deploy プロジェクトを新規作成する際のフローに関して、以下のような改善が行われているようです。 既存のGitHubリポジトリをDeno Deployに接続する際のフレームワークの自動検出がサポート 任意でビルドステップの指定がサポート。ビルド時に実行するコマンドを入力することで、Deno Deployが自動でGitHub Actionsの設定ファイルを作成してくれるようです deno.re deno.reというモジュールレジストリが公開されています。 モジュールの公開などにあたって特に作業などは不要で、GitHubに公開された任意のモジュールをタグまたはコミットを指定して読み込むことができるようです。また、必要に応じてモジュールのminifyなども実行してくれるようです。 thoth thothというDeno KVをベースに全文検索機能を提供してくれるjsrパッケージが公開されています。

April 7, 2024

2024/03/18〜2024/03/24の最新情報

deno lintとdeno lspでのQuickfixのサポートについて deno lintとdeno lspでQuickfixをサポートするPRがマージされています。Deno v1.42あたりでリリースされる可能性がありそうです。 feat(lint): deno lint --fix and lsp quick fixes #22615 deno_lint v0.58.0 deno lintでは--fixオプションを指定することで利用できるようです。 いまのところQuickfixが実装されているのはno-windowとno-window-prefixルールのみのようです。 deployctl v1.12.0 deployctl v1.12.0がリリースされています。 deployctl deployコマンドで--envや--env-fileオプションがサポートされています。これらはDeno Deployのデプロイメントに対して環境変数を設定するためのオプションのようです。これらを介して設定された環境変数はDeno.env経由でアクセスできるようです。 Introducing deployctl, the command line interface for Deno Deploy また、deployments redeployコマンドが実装されており、既存のデプロイに対して環境変数のみを変更したい場合などに使用されることが想定されているようです

March 24, 2024

2024/01/01〜2024/01/07の最新情報

Deno v1.39.2 Deno v1.39.2がリリースされました。 Node.js互換性 BYONMとImport Mapsを併用できるようになりました。 また、import.meta.resolve()でnpm:URLがサポートされています。 import.meta.resolve("npm:express"); // => "npm:express" Node.jsの組み込みパッケージに関しても様々な改善が行われており、試せてはいないのですが、next buildが動作するようになったようです。 node:dgram: Socketのunref/refが実装 node:http: ClientRequest#setNoDelayが実装 node:crypto: aes-192-ecbとaes-256-ecbがサポート node:process: process.abort()が実装 node:os: os.machine()が実装 node:os: os.cpus()の互換性の向上 (今まではダミーの値が返されていました。) node:test: TestContext#testで2段階以上のネストがサポートされました。 deno lsp V8インスペクターへの接続がサポートされています。 vscode_deno v3.31.0で"deno.internalInspect"オプションが追加されており、これにtrueなどを設定すると有効化されるようです。 Debugger listening on ws://127.0.0.1:9222/ws/<id> Visit chrome://inspect to connect to the debugger. compilerOptions.jsxImportSourceで指定されたモジュールをdeno lspが自動でキャッシュするように挙動が改善されました。 Test code lensでDeno.test.only/Deno.test.ignoreを使用して定義されたテストケースが検出されるように改善されました。 deno check deno checkコマンドでdeno.jsonのexcludeの内容が反映されるように改善されました。 Deno KV DBがクローズされたらウォッチャー(Deno.Kv#watch)も自動で停止するように挙動が改善されています。 Object.groupBy 戻り値の型がRecord<Key, Item[]>からPartial<Record<Key, Item[]>>に変更されました。 deno_std v0.211.0 deno_std v0....

January 7, 2024

2023/12/04〜2023/12/10の最新情報

Deno v1.38.5 Deno v1.38.5がリリースされました。 Deno.Kvにwatch()メソッドが実装されています。引数として監視したいキーの一覧を指定すると、戻り値として返却されたReadableStream<Deno.KvEntryMaybe<T>[]>からそれらのキーに関する変更が通知されます。 const kv = await Deno.openKv(":memory:"); const watcher = kv.watch( [ ["users", 1], ["users", 2] ] ); (async () => { for await (const entries of watcher) { // 変更があった際は通知されます。 console.info(entries); } })(); await kv.set(["users", 1], "foo"); await kv.set(["users", 2], "bar"); await kv.set(["users", 3], "baz"); --unstable-sloppy-importsの実装について まだリリースはされていませんが、Deno本体に--unstable-sloppy-importsというオプションを導入するPRがマージされています。 feat(unstable): ability to resolve specifiers with no extension, specifiers for a directory, and TS files from JS extensions #21464...

December 10, 2023

2023/11/27〜2023/12/03の最新情報

fresh v1.6 fresh v1.6がリリースされました。 以下に内容をまとめたため、よろしければそちらを参照いただければと思います。 fresh v1.6 Deno v1.38.4 Deno v1.38.4がリリースされました。 node:child_process: spawnSync()でstatusが常に0に設定される問題が修正されました。 deno lsp: CPU使用率やパフォーマンスの改善が実施されています。 Deno Cron (Deno.cron())のアナウンス Deno.cron()が正式にアナウンスされました。 Announcing Deno Cron 上記の記事によると、Deno.cron()はすでにDeno Deployでも利用できるようで、登録されたハンドラを実行する際に、オンデマンドでisolateを立ち上げてくれるようです。 freshのイテレーションプラン (2023/12) freshの2023/12におけるイテレーションプランが公開されています。 December 2023 iteration plan #2108 View TransitionsのサポートやDeno v1.38で導入されたHMRやprecompiled JSX transformなどに関する検討などが計画されているようです。 OpenAI Deno SDK OpenAI公式からDenoのSDKが公開されました。 And… we’re back to shipping! Announcing the @OpenAI Deno SDK, now available at https://t.co/1apX59gG5S, built in collaboration with @stainlessapi. Deno is a Javascript runtime that natively supports Typescript, is secure by default, and provides an awesome DevX....

December 3, 2023