2023/11/06〜2023/11/12の最新情報

Deno v1.38.1 Deno v1.38.1がリリースされました。 Node.js互換性の改善 require() .jsが見つからなければ.jsonも探すように挙動が改善されました。 BYONMが有効化された際に、scopedパッケージ(@foo/bar)が適切に解決されるように修正されました。 node:crypto createPrivateKey()が実装されました。 node:child_process spawnSync()でstdioオプションが適切に取り扱われるように改善されました。 これにより、execaパッケージが動くようになったようです。 node:util toUSVString()が実装されました。 deno doc --lintの出力内容の改善 deno doc --lintを実行した際の出力内容が変更されました。 今までは、lintに成功した際はAPIドキュメントが表示されました。 このリリースでは、lintに成功した際はAPIドキュメントを表示せず、チェックされたファイル数を表示するように変更されています。 $ deno doc --lint bytes/copy.ts Checked 1 file Deno.AtomicOperation#checkで指定できるキー数の増加 Deno.AtomicOperation#checkが最大で合計100個のキーまでチェックできるように改善されました。(今までは10個が最大値でした) Promise.withResolvers()の型定義の改善 Promise.withResolvers()が返すresolve関数の引数がオプショナルから必須に変更されています。 deno_std v0.206.0 deno_std v0.206.0がリリースされました。 std/async/deferred.tsが非推奨化 Deno v1.38でPromise.withResolvers()が利用できるようになったため、deferred()が非推奨化されました。 std/encoding/binary.tsが削除 非推奨化されていたstd/encoding/binary.tsモジュールが削除されています。 std/path/glob.tsに関するAPIの移動 std/path/glob.tsで提供されていた以下のAPIが移動されています。 API 移動先 isGlob std/path/is_glob.ts globToRegExp std/path/normalize_glob.ts joinGlobs std/path/join_globs.ts std/http/server_sent_event_stream....

November 12, 2023

2023/10/30〜2023/11/05の最新情報

Deno v1.38 Deno v1.38がリリースされました。 以下に内容をまとめたため、よろしければそちらを参照いただければと思います。 Deno v1.38 deno_std v0.205.0 deno_std v0.205.0がリリースされました。 std/httpモジュールの整理 std/http/server.tsが非推奨化されました。今後はDeno.serve()やその周辺APIへの移行が推奨されます。 また、以下の各ファイルがリネームされています。 http/http_status.ts → std/http/status.ts std/http/cookie_map.ts → std/http/unstable_cookie_map.ts std/http/http_errors.ts → std/http/unstable_errors.ts std/http/method.ts → std/http/unstable_method.ts std/http/server_sent_event.ts → std/http/unstable_server_sent_event.ts std/wasiの非推奨化 使用率が高くなかったため、std/wasiが非推奨化されました。 Deno v1.38の公式ブログではwasmer-jsへの移行が推奨されています。 非推奨化されたAPIの削除 std/dotenv: restrictEnvAccessToオプションが削除されました。 deno_std v0.201.0でのstd/dotenvの改善により必要性が低下したため std/bytes/bytes_list.tsが削除されました。 std/csv/parse.ts: 以下のAPIが削除されました。 ERR_BARE_QUOTE ERR_FIELD_COUNT ERR_INVALID_DELIM ERR_QUOTE ParseError ReadOptions std/fs/walk.ts: canonicalizeオプションが追加 walk()にcanonicalizeオプションが追加されました。 このオプションはfollowSymlinksオプションがtrueのときのみ効果を持ちます。 このオプションにfalseが設定された場合、シンボリックリンク解決後のパスが正規化されなくなります (デフォルトはtrueのため、互換性には影響ありません) std/fs/expand_glob.ts: パーミッションの取り扱いの改善 expandGlob()にrootオプションまたは絶対パスが指定された際は、ファイルシステム全体への--allow-read権限を要求しないように挙動が改善されました。 denokv v0.1.0 denokv v0....

November 5, 2023

Deno v1.38

Deno v1.38がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 deno doc deno doc --lint deno docコマンドで--lintオプションがサポートされました。 $ deno doc --lint mod.ts Missing JS documentation comment. at file:///home/uki00a/ghq/github.com/uki00a/some-project/mod.ts:12:3 このオプションを指定すると、DenoはAPIドキュメントを出力する前に、各APIを検査します。そして以下のようなAPIが検出された場合、APIドキュメントを出力せずにエラーを表示します。 exportされているAPIにJSDocコメントが書かれていない場合 (Missing JS documentation comment.) exportされているAPIの戻り値の型定義が省略されている場合 (Missing return type.) exportされている型のプロパティがexportされていない型を参照している場合 (Type 'foo' references type 'Bar' which is not exported from a root module.) このエラーが発生した場合、そのexportされていない型に@internalを指定することでエラーを抑止できます deno doc --html deno docでAPIドキュメントのHTML形式での出力がサポートされました。 --htmlを指定すると、docsディレクトリにHTMLが出力されます。 $ deno doc --html --name=fresh-testing-library mod.ts Written 261 files to "./docs/" docs/index.htmlを開くことで作成されたAPIドキュメントを閲覧できます。...

November 5, 2023

2023/10/23〜2023/10/29の最新情報

denoland/denokv denoland/denokvというリポジトリが公開されています。 今後、Deno KVのSQLiteバックエンドやgRPCのスキーマの定義などはこのリポジトリで開発される想定のようです。 現在、Deno本体ではdenoland/denokvへの移行が行われているようです。 chore: update ext/kv to use denokv_* crates #20986 BYONMのサポートについて Deno本体でnpmなどで作成されたnode_modulesディレクトリ(BYONM)をサポートするPRがマージされています。Deno v1.38でリリースされるかもしれません。 feat(unstable): ability to npm install then deno run main.ts #20967 ⚠️この機能は実験的機能のため、今後、使い方などに変更が入る可能性があります。 例えば、以下のようにnpmでkoaパッケージがインストールされていたとします。 $ npm i koa npmによってインストールされたkoaパッケージをnpm:なしで読み込むJavaScriptファイルを用意します。 // index.js import Koa from "koa"; const app = new Koa(); app.use(async (ctx) => { ctx.body = "Hello Deno!"; }); app.listen(3000); この状態で--unstable-byonmオプションを指定すると、npmによって作成されたnode_modulesディレクトリからkoaパッケージが読みこまれます。 $ deno run --unstable-byonm --allow-net --allow-read --allow-env index....

October 29, 2023

2023/09/25〜2023/10/01の最新情報

Deno v1.37.1 Deno v1.37.1がリリースされました。 deno lsp 現在のファイルの全依存モジュールをキャッシュするQuickFixアクションが実装されています。(Cache all dependencies of this module.) また、deno lspでリモートのImport mapsのサポートも追加されています。 deno test Deno.testやDeno.TestContext.stepなどによるテストケースの登録がDeno v1.37から2倍近くまで高速化されています。 deno jupyter: Deno.jupyter.broadcastが追加 (unstable) Denoからdisplay_dataやupdate_display_dataメッセージを送信するためのメソッドのようです。 Deno.jupyter.broadcast Deno KV Deno.Kv#enqueueのdelayオプションに設定できる最大値が30日まで増加されました。 Node.js互換性 node:crypto: randomFillSync()にArrayBufferなどを渡すと、TypeErrorが発生する問題が修正されています。 package.json: exportsフィールドがnullだった場合、プロセスがパニックする問題が修正されています。 deno_std v0.203.0 deno_std v0.203.0がリリースされました。 std/ioが非推奨化 std/ioはDeno.ReaderとDeno.Writerベースの機能が提供されていたため、非推奨化されました。 std/encoding: encode/decodeが非推奨化 std/encodingの各モジュールで提供されていたencodeとdecodeが非推奨化されています。今後は、以下の関数への移行が推奨されます。 std/encoding/ascii85.ts: encodeAscii85/decodeAscii85 std/encoding/base32.ts: encodeBase32/decodeBase32 std/encoding/base58.ts: encodeBase58/decodeBase58 std/encoding/base64.ts: encodeBase64/decodeBase64 std/encoding/base64url.ts: encodeBase64Url/decodeBase64Url std/encoding/hex.ts: encodeHex/decodeHex std/front_matter 他のモジュールとの一貫性の向上のため、以下の各ファイルで提供されていたdefault exportが非推奨化されました。 std/front_matter/any.ts std/front_matter/json.ts std/front_matter/toml.ts std/front_matter/yaml.ts std/collections - 一部関数の引数がArrayからReadonlyArrayへ変更 以下の各関数の引数がArrayではなくReadonlyArrayを受け取るように修正されています。(std/collectionsの他の関数との一貫性の向上が目的)...

October 1, 2023

2023/09/11〜2023/09/17の最新情報

Deno v1.37でリリースされそうな機能について (part 2) 前週に引き続き、直近で開発されているDeno v1.37でリリースされそうな機能について紹介いたします。 Jupyter Kernelの実装 (deno jupyter) Deno本体にJupyter Kernelを実装するPRがマージされています。 feat: Add “deno jupyter” subcommand #20337 このPRではdeno jupyterという新しいコマンドが実装されており、これを利用することで、Deno本体に組み込まれたJupyter Kernelのインストールや起動などを行うことができるようです。 このコマンドでは、以下の3つのオプションが提供されています。 オプション 説明 --install Deno本体に組み込まれたKernelをJupyterにインストールします。 --kernel Deno本体に組み込まれたKernelを起動します。以下の--connとセットで指定する必要があります。 --conn コネクションファイルのパス これらのうち、ユーザーが直接利用するのは--installオプションです。 # KernelをJupyterにインストールします $ deno jupyter --unstable --install --kernelと--connについては、JupyterがKernelを起動する際に使用されるもののため、ユーザーが直接利用することは想定されていません。 また、--installも--kernelも指定しないでdeno jupyterを実行すると、Deno Kernelがインストールされているかどうかを確認できるようです。 $ deno jupyter --unstable 今のところ、deno jupyterの利用には--unstableの指定が必要なようです。 using/await usingのサポート (TypeScriptのみ) Deno本体のTypeScriptをv5.2へアップデートする対応に続いて、usingとawait usingをサポートする対応がマージされています。 feat: explicit resource management in TypeScript #20506...

September 17, 2023

2023/09/04〜2023/09/10の最新情報

Deno v1.37でリリースされそうな機能について 今週はDenoのリリースが行われていないため、おそらく次にリリースされるであろうDeno v1.37に入りそうな機能などについて紹介します。 Lockfile v3 deno.lockの新しいフォーマット(v3)が実装されています。 feat: lockfile v3 #20424 npm.specifiersがpackages.specifiersへ、npm.packagesがpackages.npmへ移動されています。 これはdeno:URLのサポートを想定した変更のようです。 TypeScript v5.2 Deno本体に搭載されたTypeScriptをv5.2にアップデートするPRがマージされています。 feat: TypeScript 5.2 #20425 ただし、usingやDecorator Metadataなどについてはv8側でサポートされるまでは使用できない状況のようです。 Import Attributes DenoにImport Attributesを実装するPRがマージされています。 feat: support import attributes #20342 // static import import data from "./data.json" with { type: "json" }; // dynamic import const data2 = await import("./data2.json", { with: { type: "json" } }); Deno Deployでnpmパッケージがサポート Deno Deployでnpmパッケージがサポートされました。Denoと同様に、npm:URL経由でnpmパッケージを読み込むことができます。 以下の公式ブログ記事では、ExpressやFastify, OpenAI APIなどの使用例が紹介されています。...

September 10, 2023

2023/08/28〜2023/09/03の最新情報

Deno v1.36.4 Deno v1.36.4がリリースされました。 Deno KV Deno KVでデータベースへのリモート接続がサポートされました。これにより、ローカルからDeno Deploy上のDeno KVデータベースへ接続ができるようになったようです。 Deno.openKvにhttp:/https:形式のURLを与えると、従来までのSQLiteベースのバックエンドは使用されず、代わりにHTTP経由でデータベースへリモート接続されます。 このリモート接続機能はDeno Deployに限らず、KV Connectというプロトコルさえ実装されていれば、任意のデータベースへ接続が可能なようです。 また、この機能を利用するには、以下の設定が必要なようです: --allow-envとallow-netオプション DENO_KV_ACCESS_TOKEN環境変数 (Deno Deployで発行した認証用アクセストークン) KV Connectプロトコルについて: 以下のページなどにドキュメントが存在します。 KV Connect Metadata Exchangeエンドポイントのレスポンスのスキーマ Data Pathエンドポイントのメッセージのフォーマット deno lsp suggest.completeFunctionCallsオプションが実装: このオプションにtrueを設定すると、関数の引数と括弧()が入力補完されます。 vscode-denoでは"deno.suggest.completeFunctionCalls": trueオプションで有効化できるようです。 { // ... "deno.suggest.completeFunctionCalls": true } テストエクスプローラーに関するバグ修正: TestContext.stepを使っていると、vscodeのテストエクスプローラー経由でテストを実行した際に、LSPがパニックしてしまう問題が修正されました。 テストエクスプローラーからテストを実行する際に、対象テストファイルからはimportしていないファイルも実行されてしまう問題が修正されました。 deno_std v0.201.0 deno_std v0.201.0がリリースされました。 std/dotenv - パーミッションに関する改善 std/dotenvでパーミッションをより厳格に設定できるように実装が改善されました。 変数展開やexportオプションを使用しない場合、--allow-envオプションの指定が不要になります。 また、変数展開やexportオプションを使用する場合のパーミッションの取り扱いも改善されています。具体的には、以下のような.envファイルを読み込む場合、--allow-env=BAZの指定のみで動作します。(今までは--allow-envによって全ての環境変数の読み込みを許可する必要がありました。) FOO=bar HOGE=piyo${BAZ} これらの変更に合わせて、restrictEnvAccessToオプションが非推奨化されています。 std/urlが追加 新規モジュールとしてstd/urlが追加されました。 URLに関する様々なユーティリティが提供されています。 import { dirname } from "https://deno....

September 3, 2023

2023/08/21〜2023/08/27の最新情報

Deno v1.36.2 Deno v1.36.2がリリースされました。 Deno KV キーに有効期限を設定できるようになりました。 Deno.Kv#setなどのexpireInオプションを指定することで、ミリ秒単位で対象のキーの生存期間を指定できます。 const db = await Deno.openKv(); await db.set(["key"], "value", { expireIn: 30 * 1000 }); // 最低でも30秒後に削除されます。 FFI FFI関連のAPIをより型安全に扱えるように型定義が改善されています。 Deno.PointerObjectの型定義が公開されています。 Deno.PointerValueがGenerics型に変更されています。 など その他の変更点(バグ修正など) Denoで以下のエラーが発生する問題が修正されています。(古いバージョンのdeno_cacheで作成したキャッシュを最新のDenoで読もうとした際に発生していたようです) error: missing field `now` at line x column y Deno.listenTlsに不正な証明書または秘密鍵が指定されると、プロセスがパニックする問題が修正されました。 deno lsp: auto importの実行時にdeno.jsonのfmtの設定が効くように挙動が改善されています。 deno test: JUnitレポーターでfilename/line/colが出力されるように改善されました。 deno.json: vendor: trueが指定された際に、vendorディレクトリからの直接のimportが無効化されました。(二重に依存関係がダウンロードされてしまったりする問題などを防止するため) node:os: WindowsでuserInfo()が利用出来ない問題が修正されています。 navigator.userAgentがWorker内で利用できない問題が修正されました。 Deno v1.36.3 Deno v1.36.3がリリースされました。 v1.36.2でdeno lintを実行した際に、async関数に対してno-await-in-sync-fnルールのエラーが起こることのある問題が修正されています。 また、URL.canParseの型定義も追加されています。 Deno本体での.envのサポートについて Deno本体に--envというオプションを追加するPRが作成されています。 feat: –env-file #20300...

August 27, 2023

2023/08/14〜2023/08/20の最新情報

fresh v1.4 fresh v1.4がリリースされました。 以下に内容をまとめたため、よろしければそちらを参照いただければと思います。 fresh v1.4 Deno KVでのキーの有効期限の設定について Deno.Kv#setなどのAPIでexpireInというオプションをサポートするPRが作成されています。 feat(ext/kv): key expiration #20091 このオプションを指定することで、対象のキーに対して有効期限を設定することができます。 const db = await Deno.openKv(); await db.set( ["key"], "value", { // 有効期限をミリ秒単位で指定します。 // 以下の場合、最低でも1秒後にこのキーが自動で削除されます。 expireIn: 1000 }, ); このPRはすでにマージされているため、次のDeno v1.36.2またはv1.37あたりでリリースされる可能性がありそうです。

August 20, 2023