2025/03/24〜2025/03/30の最新情報

Deno v2.2.6 Deno v2.2.6がリリースされています。 静的解析可能なdynamic importの遅延読み込み (--unstable-lazy-dynamic-imports) --unstable-lazy-dynamic-importsが実装されました (#28593) 以下のスクリプトを実行する場合、通常であれば、まずはjsr:@std/text@1.0.12/unstable_dedentがダウンロードされてからスクリプトの実行が開始され、fooとbarが出力されます: // main.js console.info("foo"); await import("jsr:@std/text@1.0.12/unstable_dedent"); console.info("bar"); --unstable-lazy-dynamic-importsまたは"unstable": ["lazy-dynamic-imports"]を指定した場合、まずfooが出力されてからjsr:@std/text@1.0.12/unstable_dedentのダウンロードが開始され、その後にbarが出力されるよう挙動が変更されます。 Node.js互換性の改善 peerDependenciesの解決方法が変更 peerDependenciesに関する解決ロジックが変更されています。peerDependenciesで要求されるあるパッケージに関して、バージョンがマッチしない場合であっても、該当のパッケージが見つかった際はそれを使用するように修正されているようです (#28616) この挙動が適用された際はWarning The following peer dependency issues were foundという警告が表示されます。 将来的にオプションを導入して、任意でDeno v2.2.5までの挙動に戻せるようにすることも検討されているようです。 node_modules/.binが作成されないことがある問題の修正 deno outdated --updateでnpmパッケージを更新すると、そのパッケージがnode_modules/.bin からなくなってしまうことがある問題が修正されています (#28626) node:fs - mkdir()のバグ修正 mkdir()でmodeオプションに文字列を指定するとTypeErrorが発生する問題が修正されています (#28609) node:http - イベントの取り扱いの改善 HTTPリクエストがキャンセルされた際にServerResponseでcloseイベントが発火されるよう改善されています (#28601) また、IncomingMessageが保持するsocketで適切にcloseイベントが発火されていなかった問題も修正されています (#28582) パフォーマンス改善 deno installによるnpmパッケージのインストールが高速化されています (#28636) パッケージのメタ情報をファイルシステムからではなくインメモリのキャッシュから読み込むようにすることで高速化が図られているようです。 Web Crypto API ECDSAに関する改善 ECDSAを使用する際にSubtleCrypto#verify及びSubtleCrypto#signにおいて任意の曲線とハッシュの組み合わせが利用できるよう改善されています (#28574) deno_stdのリリース deno_stdのリリースが行われています (release-2025.03.25) @std/uuid@1.0.6 - UUIDv6の実験的サポート @std/uuid@1.0.6がリリースされています。 UUIDv6が実験的にサポートされています (#6415)...

March 30, 2025

2025/03/03〜2025/03/09の最新情報

Deno v2.2.3 Deno v2.2.3がリリースされています。 deno lint プラグインシステムにおけるセレクターの改善 セレクターにおいて、以下のように特定のプロパティを保持するノードのみの問い合わせがサポートされています (#28324) const plugin: Deno.lint.Plugin = { name: "sample-plugin", rules: { "some-rule": { create: (ctx) => { const visitor = { ".callee": (node) => { // `.callee`を保持するNodeのみを問い合わせる }, }; return visitor; }, }, }, }; また、セレクターの構文における:has()/:is()/:where()/:not()や属性に対する正規表現によるマッチング (例: MemberExpression[property.name=/Object/])がサポートされています (#28348, #28340) これらの機能の追加に合わせて、公式ドキュメントも改善されています (https://github.com/denoland/docs/pull/1508) プラグイン実行時のパーミッションの取り扱いの変更 プラグインの実行時に--no-promptが有効化されるよう挙動が変更されています (#28305) deno lspとdeno lintでJavaScriptプラグインを実行する際の方式を統一することを目的とした変更のようです。 現状、deno lintにおいては--allow-readなどのパーミッションフラグを指定する方法はありませんが、要望はすでに挙げられているようです:...

March 9, 2025

2025/02/10〜2025/02/16の最新情報

Deno v2.2のリリースについて Deno v2.2は先週にリリースが計画されていたようですが、おそらくは後述するV8 13.4へのアップデートなどの関連で、リリースが見送られたようです: https://x.com/rough__sea/status/1889406135578534314 V8のアップグレードとJavaScriptファイルでのExplicit Resource Managementのサポートについて 直近でDeno内部のV8を13.4へアップデートするPRがマージされています: feat: Upgrade V8 to 13.4 #28080 おそらく、Deno v2.2でリリースされるのではないかと思います。 この対応に合わせて、JavaScriptファイルでExplicit Resource Managementを利用できるようにする対応が進められています (今まで、Explicit Resource ManagementはTypeScriptでのみサポートされていました) feat: enable explicit resource management for JavaScript #28119 deno fmtでのTOMLのサポートについて deno fmtコマンドにTOMLファイルのフォーマットをサポートするためのPRが作成されています: feat(fmt): add TOML formatter #28104 dprint-plugin-tomlをベースに実装されているようです。 2.2.0のマイルストーンには含まれていないため、この機能のリリースは少し先になるかもしれません。 deno transpile コマンドの追加に関する提案 deno transpileコマンドをDenoに追加する提案が行われています: Add deno transpile subcommand #28069 まだ正式に実装されるかどうかはわかりませんが、issueにそれなりにリアクションがついていそうなので紹介します。 機能としては、.tsファイルを.jsファイルへトランスパイルしつつ.d.tsも生成することなどが想定されているようです。Denoでnpmパッケージを公開したい場合などに便利そうではないかと思いました。 Deno v2.1.10 Deno v2.1.10がリリースされています。 deno compile - --includeオプションがdeno compileで生成された実行可能ファイルを検出するよう改善 --includeオプションで指定されたディレクトリにすでにdeno compileで生成された実行可能ファイルが存在する場合に、それが新しく生成される実行可能ファイルに含まれてしまわないよう改善されています (#27877)...

February 16, 2025

2025/01/27〜2025/02/02の最新情報

Deno v2.1.8/v2.1.9 Deno v2.1.8とv2.1.9がリリースされています。 OpenTelemetry HTTPSエンドポイントのサポート HTTPSエンドポイントへのSignalsの送信がサポートされています (#27743) 以下の環境変数によって設定が可能です: OTEL_EXPORTER_OTLP_CERTIFICATE OTEL_EXPORTER_OTLP_CLIENT_KEY OTEL_EXPORTER_OTLP_CLIENT_CERTIFICATE deno check ワークスペースの各メンバーでのcompilerOptionsのサポート ワークスペースの各メンバーのdeno.jsonにおけるcompilerOptionsの定義がサポートされています (#27785) 今まではワークスペースのルートでしかcompilerOptionsを定義できませんでしたが、今後は各メンバーごとに柔軟に型チェックなどに関する振る舞いを設定できそうです。 npmパッケージに含まれる.tsファイルの取り扱いの改善 型チェックにおけるnpmパッケージ中の.tsファイルの取り扱いが改善されています (#27853) deno checkの実行時に限定して、型チェック時に.d.tsが見つからない際は追加で.tsファイルも探索してくれるようです。 deno install -gが指定され かつ deno.jsonが検出された際の警告について deno install -gの実行時にdeno.jsonが検出され かつ--configオプションが指定されていない場合に以下の警告が表示されるよう改善されています (#27745) Warning discovered config file will be ignored in the installed command. Use the --config flag if you wish to include it. deno lsp Ambient modulesに関する修正 Ambient modulesに対するimportでエラーが発生しないように修正されています (#27855) SvelteKitなどを使用したプロジェクトを想定した修正のようです。 deno publish .d.tsに関する改善 jsrパッケージのモジュール内でsloppy importsが使用されており かつ 対応する....

February 2, 2025

2025/01/20〜2025/01/26の最新情報

Deno v2.1.7 Deno v2.1.7がリリースされています。 v2.1.6で発生していたWorkerに関する問題の修正 v2.1.6においてWorkerの使用時にDenoがパニックすることがあった問題が修正されています (#27741) deno install -g --configに関する挙動の変更 deno install -gで--configが指定された際に、指定された設定ファイルに含まれるimportMapが無視されるよう挙動が変更されています (#27744) deno install -gで--import-mapと--configが併用された際に、意図せぬ動作をすることの防止が目的のようです。 Node.js互換性の改善 node:crypto Decipherでaes-256-gcmまたはaes-128-gcmを使用している際に、finalメソッドにおいて認証タグのチェックが行われるように改善されています (#27733) node:fs/promises FileHandleにdatasync()とsync()メソッドが追加されています (#27677) node:http ClientRequestが保持するsocketにおいてエラーが発生した際に、そのClientRequestオブジェクトでerrorイベントが発火されるよう改善されています (#27678) node:tls connect()でECONNRESETエラーが起きることのある問題が修正されています (#27707) deno_stdのリリース deno_stdのリリースが行われています (release-2025.01.22) @std/async@1.0.10 @std/async@1.0.10がリリースされています。 @std/async/unstable-wait-forが追加 waitFor (@std/async/unstable-wait-for)という新しい実験的APIが追加されています。predicateが満たされるまで待機してくれます。 import { waitFor } from "jsr:@std/async@1.0.10/unstable-wait-for"; // ... await waitFor( () => task.isFinished(), // predicate 5_000, // timeout ); @std/fs@1.0.10 @std/fs@1.0.10がリリースされています。 Node.js向けサポートの改善 @std/fsのNode.jsサポート向けに、以下のモジュールが追加されています: @std/fs/unstable-symlink (symlink()とsymlinkSync()が提供されます) @std/fs/unstable-chmod (chmod()とchmodSync()が提供されます) @std/fs/unstable-read-dir @std/assert@1....

January 26, 2025

2025/01/06〜2025/01/12の最新情報

Deno v2.1.5 Deno v2.1.5がリリースされています。 QUICサポート QUICのサポートがリリースされました。 feat(unstable): Implement QUIC #21942 Deno.connectQuic()などのAPIが実装されています (利用するには--unstable-netの指定が必要です) deno lint - JavaScriptプラグイン向けの内部的な基盤の追加 deno lintにおけるプラグインシステムの内部APIであるDeno[Deno.internal].runLintPluginやセレクターの仕組みなどの実装がリリースされています。 deno.jsonにおけるlint.pluginsオプションの実装はリリースされていないため、まだ一般的な利用はできない状態です。 OpenTelemetry @deno/otelの不要化 OpenTelemetryサポートを利用するに当たり、@deno/otelの使用が不要化されています。 OTEL_DENO=trueと--unstable-otelさえ指定されていれば@opentelemetry/apiとの連携ができます。DenoがあらかじめglobalThis[Symbol.for("opentelemetry.js.api.1")]にTracerProviderなどを登録してくれるため、@opentelemetry/apiとの連携が自動で行われるようです。 まだ、Denoの公式ドキュメントにもOpenTelemetryサポートに関するドキュメントが追加されています (Add docs for OpenTelemetry in Deno (denoland/docs#1305)) feat(unstable): add OTEL MeterProvider #27240 feat(unstable): replace SpanExporter with TracerProvider #27473 feat(unstable): no config npm:@opentelemetry/api integration #27541 WASMモジュール jsrパッケージにおけるサポートの改善 jsrパッケージ内に含まれる.wasmモジュールが読み込めるよう改善されています。 fix(jsr): Wasm imports fail to load #27594 deno check モジュールが見つからなかった際のエラー形式の変更 モジュールが見つからなかった際のエラーメッセージがTypeScriptのdiagnosticsとして報告されるよう改善が行われています (#27533)...

January 12, 2025

2024/12/30〜2025/01/05の最新情報

直近のDenoの変更について まだマージされているわけではないのですが、いくつか面白そうなPRが作成されているため紹介します。 Geometry Interfaces Module Level 1 の実装について まだDraft状態ではありますが、DenoにGeometry Interfaces Module Level 1を実装するPRが作成されています: feat(ext/geometry): Geometry Interfaces Module Level 1 #27527 DOMPointやDOMQuad, DOMMatrixなどのAPIが実装されているようです。 Geometry interfaces OpenTelemetryサポートにおける@deno/otelの不要化について 今まで、DenoのOpenTelemetryサポートを利用してシグナルを送信するためには、Deno公式から公開されている@deno/otelパッケージの使用が想定されていました。 DenoのOpenTelemetryサポートを利用するに当たって、この@deno/otelの使用を不要とする対応が進められているようです: feat(unstable): no config npm:@opentelemetry/api integration #27541 このPRの対応が入ると、セットアップの手間が若干軽減されそうです。 deno_stdの今後の安定化に関する計画 deno_stdにおけるパッケージやunstableモジュールについての今後の計画が公開されています: Next STD Stabilization Iteration Plan #6299 @std/iniパッケージや@std/uuidにおけるUUIDv7サポートの安定化などが検討されているようです。 lint.deno.landからdocs.deno.comへの移行について 以前に紹介したdeno lintのLintルールに関するドキュメントのlint.deno.landからdocs.deno.comへの移行が正式に実施されたようです: chore: replace lint.deno.land with /lint/ page #1289 今後はhttps://docs.deno.com/lint/からドキュメントを参照することが推奨されそうです。

January 5, 2025

2024/12/16〜2024/12/22の最新情報

QUICとWebTransport APIのサポートについて QUICのサポート DenoのmainブランチにQUICを実装するPRがマージされています。Deno v2.2あたりでリリースされる可能性がありそうです: feat(unstable): Implement QUIC #21942 quinnをベースに以下のAPIが実装されており、利用には--unstable-netの指定が必要なようです: Deno.connectQuic Deno.listenQuic Deno.QuicBidirectionalStream (Deno.QuicConn#createBidirectionalStreamで作成できます) Deno.QuicConn (Deno.connectQuicなどから返却されます) Deno.QuicListener (Deno.listenQuicから返却されます) Deno.QuicReceiveStream (Deno.QuicConn.incomingUnidirectionalStreamsで取得できます) Deno.QuicSendStream (Deno.QuicConn#createUnidirectionalStreamで作成できます) WebTransport APIのサポート まだマージはされていませんが、先程のQUICサポートをベースにWebTransport APIを実装するPRも作成されています: feat(unstable): WebTransport #27431 このPRではWebTransport APIに加えてDeno.upgradeWebTransportというWebTransportサーバーを立てるための独自のAPIも実装されているようです。引数にDeno.QuicConnを渡すことで、WebTransportオブジェクトを返却してくれます。 WebTransport APIについてもQUICと同様に、利用するには--unstable-netの指定が必要なようです。 deno lint - JavaScriptプラグインを実行するための内部APIが追加 以前に紹介したdeno lintでのプラグインサポートの件についてですが、ひとまずDeno[Deno.internal].runLintPluginという内部的なAPIの実装(今のところdeno testコマンドの実行時以外では参照できないよう制御されています)がmainブランチへマージされています。 feat(unstable): add JS linting plugin infrastructure #27416 このPRではまだCLIオプションなどは実装されていないためまだ一般的に利用できる状況ではなさそうですが、JavaScriptプラグインに関するテストコードが追加されており、今後、プラグインを書く際などの参考になりそうです。 deno_stdのリリース deno_stdのリリースが行われています: release-2024.12.18 release-2024.12.20 @std/cli@1.0.9 @std/cli@1.0.9がリリースされています。 promptMultipleSelectが追加 以前に追加されたpromptSelect()に続いて、promptMultipleSelect() (@std/cli/unstable-prompt-multiple-select)というAPIが追加されています。promptMultipleSelect()は選択肢から複数の値を選択できます。 @std/fs@1.0.7 & @std/fs@1.0.8 @std/fs@1....

December 22, 2024

2024/12/09〜2024/12/15の最新情報

Deno v2.1.4 Deno v2.1.4がリリースされています。 Node.js互換性の改善 deno install --entrypointの挙動の改善と--unstable-npm-lazy-cachingの導入 今までDenoはnpmパッケージに依存したスクリプトを実行する際に、package.jsonで指定されたパッケージをすべてインストールしていました。 このリリースではdeno install --entrypointの挙動が変更され、指定したエントリポイントから依存されているnpmパッケージのみがキャッシュされるよう改善されています。 他のコマンドでもdeno install --entrypointと同様の振る舞いをさせたい場合は、--unstable-npm-lazy-cachingまたはDENO_UNSTABLE_NPM_LAZY_CACHINGを指定することで有効化できます。 feat(unstable): support caching npm dependencies only as they’re needed #27300 パスに@が含まれるモジュールを提供するパッケージの取り扱いの改善 npmパッケージからファイル名に@が含まれるモジュールをimportしようとするとエラーが発生する問題が修正されています。 fix: do not error when specifier subpath has an @ symbol #27290 node:fs readFile()でファイルディスクリプターの指定がサポートされています。 fix(ext/node): accept file descriptor in fs.readFile(Sync) #27252 node:v8 serialize()とdeserialize()でFloat16Arrayがサポートされています。 fix(ext/node): handle Float16Array in node:v8 module #27285 _http_common @mswjs/interceptorsなどのNode....

December 15, 2024

2024/12/02〜2024/12/08の最新情報

Deno v2.1.3 Deno v2.1.3がリリースされています。 deno task --recursiveオプション v2.1.0で追加された--recursiveオプションが動作していなかった問題が修正されています (--filter *を指定した場合と同様に動作します) # ワークスペース内の各パッケージで定義されたtestタスクを実行します $ deno task --recursive test fix(task): --recursive option not working #27183 (Unix環境向け) 子プロセスへのシグナルの転送がサポート Unix環境において、deno taskのプロセス向けに送信されたシグナルがタスクで起動された子プロセスへ転送されるよう挙動が改善されています。 fix(task): forward signals to spawned sub-processes on unix #27141 (Windows向け) 子プロセスの自動停止 Windowsにおいてdeno taskのプロセスを停止させた際に、deno taskによって起動された子プロセスも停止されるよう改善されています。 fix(task): kill descendants when killing task process on Windows #27163 タスクの依存関係が定義されている際の引数の取り扱いの変更 deno taskに追加の引数が渡された場合、その引数がルートのタスクにのみ渡されるよう修正されています (dependenciesで指定された子タスクには渡されません) # 例) a b cはbuildタスクにのみ渡され、dependenciesで指定された子タスクには渡されません $ deno task build a b c fix(task): only pass args to root task #27213 deno fmt HTMLファイルのフォーマットの安定性が改善 <script>タグを持つHTMLファイルに対するdeno fmtの安定性が改善されています。...

December 8, 2024