2023/08/28〜2023/09/03の最新情報

Deno v1.36.4 Deno v1.36.4がリリースされました。 Deno KV Deno KVでデータベースへのリモート接続がサポートされました。これにより、ローカルからDeno Deploy上のDeno KVデータベースへ接続ができるようになったようです。 Deno.openKvにhttp:/https:形式のURLを与えると、従来までのSQLiteベースのバックエンドは使用されず、代わりにHTTP経由でデータベースへリモート接続されます。 このリモート接続機能はDeno Deployに限らず、KV Connectというプロトコルさえ実装されていれば、任意のデータベースへ接続が可能なようです。 また、この機能を利用するには、以下の設定が必要なようです: --allow-envとallow-netオプション DENO_KV_ACCESS_TOKEN環境変数 (Deno Deployで発行した認証用アクセストークン) KV Connectプロトコルについて: 以下のページなどにドキュメントが存在します。 KV Connect Metadata Exchangeエンドポイントのレスポンスのスキーマ Data Pathエンドポイントのメッセージのフォーマット deno lsp suggest.completeFunctionCallsオプションが実装: このオプションにtrueを設定すると、関数の引数と括弧()が入力補完されます。 vscode-denoでは"deno.suggest.completeFunctionCalls": trueオプションで有効化できるようです。 { // ... "deno.suggest.completeFunctionCalls": true } テストエクスプローラーに関するバグ修正: TestContext.stepを使っていると、vscodeのテストエクスプローラー経由でテストを実行した際に、LSPがパニックしてしまう問題が修正されました。 テストエクスプローラーからテストを実行する際に、対象テストファイルからはimportしていないファイルも実行されてしまう問題が修正されました。 deno_std v0.201.0 deno_std v0.201.0がリリースされました。 std/dotenv - パーミッションに関する改善 std/dotenvでパーミッションをより厳格に設定できるように実装が改善されました。 変数展開やexportオプションを使用しない場合、--allow-envオプションの指定が不要になります。 また、変数展開やexportオプションを使用する場合のパーミッションの取り扱いも改善されています。具体的には、以下のような.envファイルを読み込む場合、--allow-env=BAZの指定のみで動作します。(今までは--allow-envによって全ての環境変数の読み込みを許可する必要がありました。) FOO=bar HOGE=piyo${BAZ} これらの変更に合わせて、restrictEnvAccessToオプションが非推奨化されています。 std/urlが追加 新規モジュールとしてstd/urlが追加されました。 URLに関する様々なユーティリティが提供されています。 import { dirname } from "https://deno....

September 3, 2023

2023/08/14〜2023/08/20の最新情報

fresh v1.4 fresh v1.4がリリースされました。 以下に内容をまとめたため、よろしければそちらを参照いただければと思います。 fresh v1.4 Deno KVでのキーの有効期限の設定について Deno.Kv#setなどのAPIでexpireInというオプションをサポートするPRが作成されています。 feat(ext/kv): key expiration #20091 このオプションを指定することで、対象のキーに対して有効期限を設定することができます。 const db = await Deno.openKv(); await db.set( ["key"], "value", { // 有効期限をミリ秒単位で指定します。 // 以下の場合、最低でも1秒後にこのキーが自動で削除されます。 expireIn: 1000 }, ); このPRはすでにマージされているため、次のDeno v1.36.2またはv1.37あたりでリリースされる可能性がありそうです。

August 20, 2023

fresh v1.4

fresh v1.4がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 事前ビルドのサポート Islandコンポーネントなどの事前ビルドがサポートされました。 deno task buildを実行すると、_freshディレクトリにIslandコンポーネントなどをesbuildによってバンドルした結果が出力されます。(この_freshディレクトリは.gitignoreに含めることが推奨されます。) # 1. ビルドを実行 $ deno task build # 2. _freshディレクトリが作成されます $ cat _fresh/snapshot.json サーバの起動時にfreshは自動で_freshディレクトリを探索し、見つかればそこに格納されたバンドルを利用してくれます。これによりコールドスタート時間の短縮が期待されます。 $ deno run -A main.ts Using snapshot found at /path/to/fresh-project/_fresh この事前ビルド機能はオプトイン方式によるものであり、従来どおり、ビルドステップなしでの開発やデプロイは引き続きサポートされています。ローカルでは従来どおりの方法で開発をし、本番環境にデプロイするときだけ事前ビルドを行うことも可能です。 移行について (fresh.config.ts) ※fresh v1.4以降、新規に作成したプロジェクトにおいてはこの作業は不要です。 この修正の影響により、dev.tsで使用することが想定されているdev()に変更が入っており、移行が必要になる場合がありそうです。 具体的には、まずfresh.config.tsを用意します。 import { defineConfig } from "$fresh/server.ts"; import twindv1 from "$fresh/plugins/twindv1.ts"; import twindConfig from "./twind.config.ts"; export default defineConfig({ plugins: [twindv1(twindConfig)] }); 次に、main.tsをfresh.config.tsからfreshに関する設定を読み込むように変更します。 import { start } from "$fresh/server.ts"; import manifest from "....

August 20, 2023

2023/08/07〜2023/08/13の最新情報

Deno v1.36.1 Deno v1.36.1がリリースされました。 deno_modulesディレクトリがvendorへリネーム Deno v1.36で実装されたdeno_modulesディレクトリがdeno vendorコマンドに合わせてvendorへリネームされました。 これに合わせて、deno.jsonのプロパティ名もdenoModulesDirからvendorへリネームされています。 { "imports": { "redis": "https://deno.land/x/redis@v0.29.0/mod.ts", "dax": "https://deno.land/x/dax@0.24.0/mod.ts" }, "vendor": true } このようにdeno.jsonでvendor: trueを設定することで、Denoが依存パッケージをvendorディレクトリにダウンロードするよう挙動が変更されます。 また、Deno v1.36からの大きな変更として、vendorオプションが有効化された際は、依存しているnpmパッケージもnode_modulesに自動でダウンロードされるよう挙動が変更されています。(--node-modules-dirオプションが自動で適用されるようなイメージです) この挙動を無効化したい場合、CLIオプションで--node-modules-dir=falseを指定するか、またはdeno.jsonでnodeModulesDir: falseを指定する必要があります。 deno test グローバルのsetTimeoutが置き換えられた場合、TestContext.stepが動作しなくなる問題が修正されています。(std/testing/time.tsのFakeTimeと併用できない課題があったようです) deno_std v0.198.0 deno_std v0.198.0がリリースされました。 std/path - ファイルの分割 std/path/basename.tsやstd/path/dirname.tsなど、std/pathで提供されている各APIごとにファイルが細かく分割されました。 std@0.198.0/path std@0.197.0/path deno_cache v0.5.0 deno_cacheパッケージの内部実装が、Deno本体で使用されていたグローバルキャッシュ(DENO_DIR)に関するコードをベースに再実装されたようです。 これに合わせて、deno_cache_dirという名前でクレートも公開されています。 また、Deno本体でもこのdeno_cache_dirクレートが導入されています。(#20092) これにより、今後、deno_cacheパッケージの開発がより活発になる可能性もありそうです。 https://github.com/denoland/deno_cache/releases/tag/0.5.0 Freshの2023年8〜9月のイテレーション計画 Freshの2023年8〜9月にかけてのイテレーション計画が公開されています。(2023年の7〜8月のイテレーション計画についてはこちら) August - September 2023 iteration plan #1618 現時点では、以下の実装などが進められることが検討されているようです。 SPAライクなクライアントサイドナビゲーション View transitionsのサポート

August 13, 2023

2023/07/17〜2023/07/23の最新情報

Fresh v1.3 Fresh v1.3がリリースされました。 以下に内容をまとめたため、よろしければそちらを参照いただければと思います。 Fresh v1.3 Deno v1.35.2 Deno v1.35.2がリリースされました。 Node.js互換性の改善 npm:経由で読み込まれたパッケージと通常のDenoコードで異なるglobalThisの実体が参照されるように変更されました。(#19307) npmパッケージ内からDenoで書かれた.tsファイルをimport()で読もうとすると、エラーが発生する問題が修正されました。 node:process: dlopenが実装されています。(flags引数は未サポート) node:stream/promises: finished/pipelineがexportされていなかった問題が修正されています。 TypeScript --unstableをつけずにunstable APIを使おうとした際のエラーメッセージが改善されています。 v1.35.2: error: TS2551 [ERROR]: Property 'openKv' does not exist on type 'typeof Deno'. Did you mean 'open'? 'Deno.openKv' is an unstable API. Did you forget to run with the '--unstable' flag, or did you mean 'open'? If not, try changing the 'lib' compiler option to include 'deno....

July 23, 2023

fresh v1.3

fresh v1.3がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 非同期Routeコンポーネント 非同期Routeコンポーネントがサポートされました。 例えばデータベースや外部のAPIなどから非同期に取得したデータをRouteコンポーネントに渡すためには、今までは以下のようにhandlerを定義する必要がありました。 // routes/users/[id].tsx import type { Handlers, PageProps } from "$fresh/server.ts"; export const handler: Handlers<Data> = { async GET(req, ctx) { const user = await findUserByID(ctx.params.id); if (user == null) { return ctx.renderNotFound(); } const resp = await ctx.render(user); return resp; }, }; export default async function User(props: PageProps<User>) { return <UserDetail user={props.data} />; } 非同期Routeコンポーネントを利用することで、handlerを記述せずに非同期でのデータの取得とコンポーネントのレンダリングが行えるようになります。...

July 23, 2023

Deno v1.35

Deno v1.35がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 Deno API Deno.serveの安定化 Denoに組み込まれたHTTPサーバを起動するためのAPIであるDeno.serveが安定化されました。今後は--unstableを指定しなくても利用できます。 const ac = new AbortController(); setTimeout(() => ac.abort(), 10000); const server = Deno.serve({ signal: ac.signal, }, (req) => new Response("Hello Deno!")); await server.finished; これに合わせて、Deno.connectTlsのalpnProtocolsオプションも安定化されています。 Deno.listenTlsのalpnProtocolsオプションについては、おそらくv1.35.1で正式に安定化されるのではないかと思います。 新しいAPI Deno.errors配下に以下の新しいエラーが追加されています: NotADirectory FilesystemLoop IsADirectory NetworkUnreachable また、Deno.AtomicOperationが公開されています (今までは型定義のみが公開されていて、Deno名前空間では実際には定義されていませんでした) Web API ReadableStream.from ReadableStream.fromが実装されました。AsyncIteratorなどからReadableStreamを作成することができます。 function sleep(ms) { return new Promise((ok) => setTimeout(ok, ms)); } async function* gen() { for (let i = 0; i < 5; i++) { await sleep(i * 1000); yield i; } } const readableStream = ReadableStream....

July 9, 2023

2023/06/26〜2023/07/02の最新情報

deno_lint v0.48.0 deno_lint v0.48.0がリリースされています。 fresh向けにfresh-server-event-handlersという新しいルールが実装されています。 routes/ディレクトリに配置されたコンポーネントでイベントハンドラを設定しているコードがあればエラーが発生します。(このディレクトリのコンポーネントはhydrationされないため、イベントハンドラを設定しても動作しないためです) このルールは、おそらくDeno v1.35以降のバージョンから利用できるようになると思います。 注意点として、このルールにはデフォルトで有効化されるrecommendedタグは付与されていないため、利用したい際は以下のいずれかの方法で有効化する必要がありそうです。 deno.jsonのlint.rules.includeでfresh-server-event-handlersを指定する deno.jsonのlint.rules.tagsにfreshを指定する また、このfresh-server-event-handlersルール以外にも、fresh-handler-exportというルールの実装も進んでいるようで、freshに関するルールのdeno lintへの搭載が少しずつ進められているようです。 denoland/deno_core 今までdenoland/denoリポジトリ内で開発が進められていたdeno_core crateのリポジトリが独立されたようです。(#19658) 今後は以下のリポジトリで開発が進められていくようです。 https://github.com/denoland/deno_core cliffy v1.0.0-rc.1 DenoのCLIフレームワークであるcliffy v1.0.0のRCバージョンが公開されています。 新機能としてCommandクラス(cliffy/command)へのglobalActionメソッドの実装や、cliffyの内部で使われていたテスト用のヘルパーモジュール(cliffy/testing)の追加などが行われているようです。 また、cliffy/flagsのparseFlagsでのオプション名の見直しや、cliffy/promptのInput.promptでデフォルトのインデントの削除など、いくつか破壊的変更が行われているようです。 https://github.com/c4spar/deno-cliffy/releases/tag/v1.0.0-rc.1 fresh-tailwindcss freshからTailwind CSSを利用するためのプラグイン fresh-tailwindcss daisyUIの使用例なども公開されています。

July 2, 2023

2023/06/19〜2023/06/25の最新情報

Fresh Devtools Fresh本体にFresh Devtoolsという開発者ツールを実装することが検討されているようです。 Fresh Devtools #1321 経緯としては、Freshのバックエンドで動作する各種ハンドラなどはPreact Devtoolsではカバーしきれないという課題などの解消が狙われているようです。 また、Nuxt DevToolsのように、Freshアプリケーションの一部として開発者ツールをレンダリングできるようにすることなども考慮されているようです。 例えば、このFresh Devtoolsでroutesタブやpluginsタブ、Preact Devtools向けのタブなどを提供することで、生産性やデバッグなどのサポートをすることが構想されています。 denoland/kv_api Deno KVのデータをREST API経由で管理できるようにしてくれるモジュールが公開されています。 denoland/kv_api 現状はFreshのみがサポートされていますが、今後、Oakのサポートが追加されることも検討されているようです。 deno_std/msgpack deno_stdにMessagePackのサポートを追加するPRが作成されています。 feat: msgpack encoding #3460 まだマージはされていませんが、近いタイミングでリリースされる可能性もあるかもしれません。 Global database comparison Deno KVやDynamoDBなどのDeno Deployからの利用に適していると考えられる各種データベースについて、詳しく比較を行っているWebページが公開されています。 https://global-db-comparison.deno.dev/

June 25, 2023

2023/06/12〜2023/06/18の最新情報

fresh v1.2 fresh v1.2がリリースされました。 変更内容について以下のページにまとめたため、よろしければ参照いただければと思います。 fresh v1.2 Deno v1.34.3 Deno v1.34.3がリリースされました。 Deno KVにキューが実装 Deno.KvにenqueueとlistenQueueメソッドが追加されています。 const kv = await Deno.openKv(":memory:"); // メッセージを追加します。 const res = await kv.enqueue({ id: 1, payload: "foo" }); assert(res.ok); let message; // キューを購読します const listenPromise = kv.listenQueue((_message) => { message = _message; }); kv.close(); await listenPromise; // closeするとresolveされます console.info(message); // Output: { id: 1, payload: "foo" } Deno.Kv.enqueueには以下のオプションを指定できます。 オプション 説明 keysIfUndelivered メッセージの処理に失敗した際にKVに設定したいエントリを指定できます delay 配送までの遅延時間を指定できます(最大で1週間まで指定できて、デフォルトは0です) listenQueueに渡したコールバックが失敗した際は、自動的にリトライされます。(リトライ回数は最大で5回のようです)...

June 18, 2023