2025/03/10〜2025/03/16の最新情報

Deno v2.2.4 Deno v2.2.4がリリースされています。 OpenTelemetry Context propagationのサポート Context propagationがサポートされています (#28460) OTEL_PROPAGATORS環境変数にカンマ区切りでPropagatorを設定可能です (デフォルト値はtracecontext,baggage) 現時点ではtracecontextとbaggageのみがサポートされているようです。 その他の改善 node:httpのrequest()が計装されています (#28463) また、fetch()で発生したエラーが適切に取り扱われるよう改善されています (#28480) deno check - package.jsonに基づいた型定義の解決に関する改善 package.jsonに関する以下のサポートが追加されています: "exports"フィールドにおけるtypes@{selector}形式 (#28450) typesVersionsフィールド (#28468) deno install プライベートなnpmパッケージに関する改善 ワークスペースのメンバーにプライベートなnpmパッケージが指定されている場合に、deno installが失敗しないように改善されています (#28401) file:のサポート package.jsonのdependenciesにおいてfile:形式での依存の指定がサポートされています (#28396) deno lint - プラグインシステムに関するバグの修正 プラグインシステムに関する以下のバグが修正されています: !==が!=として解釈されていた問題が修正されています (#28403) ({ a = b } = {}のようなコードがDeno.lint.ObjectPatternとDeno.lint.AssignmentPatternの組み合わせで表現されるよう改善されています (#28402) Node.js互換性の改善 CommonJSサポートの改善 CommonJSモジュールからESM形式のモジュールの再exportがサポートされています (#28379) module.exports = require("./index.mjs"); また、deno compileでrequire(esm)が動いてなかった問題も修正されているようです。 node:http STATUS_CODESがNode.jsと同様の形式に修正されています (#28489) その他 FORCE_COLOR環境変数のサポート FORCE_COLOR環境変数がサポートされています (#28490)...

March 16, 2025

2025/03/03〜2025/03/09の最新情報

Deno v2.2.3 Deno v2.2.3がリリースされています。 deno lint プラグインシステムにおけるセレクターの改善 セレクターにおいて、以下のように特定のプロパティを保持するノードのみの問い合わせがサポートされています (#28324) const plugin: Deno.lint.Plugin = { name: "sample-plugin", rules: { "some-rule": { create: (ctx) => { const visitor = { ".callee": (node) => { // `.callee`を保持するNodeのみを問い合わせる }, }; return visitor; }, }, }, }; また、セレクターの構文における:has()/:is()/:where()/:not()や属性に対する正規表現によるマッチング (例: MemberExpression[property.name=/Object/])がサポートされています (#28348, #28340) これらの機能の追加に合わせて、公式ドキュメントも改善されています (https://github.com/denoland/docs/pull/1508) プラグイン実行時のパーミッションの取り扱いの変更 プラグインの実行時に--no-promptが有効化されるよう挙動が変更されています (#28305) deno lspとdeno lintでJavaScriptプラグインを実行する際の方式を統一することを目的とした変更のようです。 現状、deno lintにおいては--allow-readなどのパーミッションフラグを指定する方法はありませんが、要望はすでに挙げられているようです:...

March 9, 2025

Deno v2.2

Deno v2.2がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 deno lint JavaScriptプラグインシステムの導入 deno lintのJavaScriptプラグインシステムが正式に導入されました。 プラグインを適用する際は、deno.jsonのlint.pluginsで有効化できます。 注意点として、JavaScriptプラグインを有効化している際はdeno lintのインクリメンタルキャッシュの仕組みが無効化されるようです (#28026) インクリメンタルキャッシュについては今後の対応が検討されているようです。 コミュニティーからいくつかプラグインがJSRに公開されています: https://github.com/NfNitLoop/deno-lints https://github.com/uki00a/deno-lint-plugin-extra-rules React/JSX関連のルールの追加 deno_lintで実装されていたReactやJSX関連のlintルールがDeno本体で有効化されました。 $ deno lint --rules --json | jq '.rules | map(select(.tags | (contains(["jsx"]) or contains(["react"])))) | .[].code' "jsx-boolean-value" "jsx-button-has-type" "jsx-curly-braces" "jsx-key" "jsx-no-children-prop" "jsx-no-comment-text-nodes" "jsx-no-duplicate-props" "jsx-no-unescaped-entities" "jsx-no-useless-fragment" "jsx-props-no-spread-multi" "jsx-void-dom-elements-no-children" "react-no-danger" "react-no-danger-with-children" "react-rules-of-hooks" 新しく追加されたこれらのルールにはjsxもしくはreactタグが付与されています。React関連のルールはrecommendedタグがついていなさそうなので、必要に応じてdeno.jsonのlint.rules.tagsなどで有効化するとよさそうです: { "lint": { "rules": { "tags": ["fresh", "react", "recommended"] } } } --rulesの挙動の変更 deno lint --rulesの挙動が変更されています。...

February 23, 2025

2025/01/27〜2025/02/02の最新情報

Deno v2.1.8/v2.1.9 Deno v2.1.8とv2.1.9がリリースされています。 OpenTelemetry HTTPSエンドポイントのサポート HTTPSエンドポイントへのSignalsの送信がサポートされています (#27743) 以下の環境変数によって設定が可能です: OTEL_EXPORTER_OTLP_CERTIFICATE OTEL_EXPORTER_OTLP_CLIENT_KEY OTEL_EXPORTER_OTLP_CLIENT_CERTIFICATE deno check ワークスペースの各メンバーでのcompilerOptionsのサポート ワークスペースの各メンバーのdeno.jsonにおけるcompilerOptionsの定義がサポートされています (#27785) 今まではワークスペースのルートでしかcompilerOptionsを定義できませんでしたが、今後は各メンバーごとに柔軟に型チェックなどに関する振る舞いを設定できそうです。 npmパッケージに含まれる.tsファイルの取り扱いの改善 型チェックにおけるnpmパッケージ中の.tsファイルの取り扱いが改善されています (#27853) deno checkの実行時に限定して、型チェック時に.d.tsが見つからない際は追加で.tsファイルも探索してくれるようです。 deno install -gが指定され かつ deno.jsonが検出された際の警告について deno install -gの実行時にdeno.jsonが検出され かつ--configオプションが指定されていない場合に以下の警告が表示されるよう改善されています (#27745) Warning discovered config file will be ignored in the installed command. Use the --config flag if you wish to include it. deno lsp Ambient modulesに関する修正 Ambient modulesに対するimportでエラーが発生しないように修正されています (#27855) SvelteKitなどを使用したプロジェクトを想定した修正のようです。 deno publish .d.tsに関する改善 jsrパッケージのモジュール内でsloppy importsが使用されており かつ 対応する....

February 2, 2025

2025/01/06〜2025/01/12の最新情報

Deno v2.1.5 Deno v2.1.5がリリースされています。 QUICサポート QUICのサポートがリリースされました。 feat(unstable): Implement QUIC #21942 Deno.connectQuic()などのAPIが実装されています (利用するには--unstable-netの指定が必要です) deno lint - JavaScriptプラグイン向けの内部的な基盤の追加 deno lintにおけるプラグインシステムの内部APIであるDeno[Deno.internal].runLintPluginやセレクターの仕組みなどの実装がリリースされています。 deno.jsonにおけるlint.pluginsオプションの実装はリリースされていないため、まだ一般的な利用はできない状態です。 OpenTelemetry @deno/otelの不要化 OpenTelemetryサポートを利用するに当たり、@deno/otelの使用が不要化されています。 OTEL_DENO=trueと--unstable-otelさえ指定されていれば@opentelemetry/apiとの連携ができます。DenoがあらかじめglobalThis[Symbol.for("opentelemetry.js.api.1")]にTracerProviderなどを登録してくれるため、@opentelemetry/apiとの連携が自動で行われるようです。 まだ、Denoの公式ドキュメントにもOpenTelemetryサポートに関するドキュメントが追加されています (Add docs for OpenTelemetry in Deno (denoland/docs#1305)) feat(unstable): add OTEL MeterProvider #27240 feat(unstable): replace SpanExporter with TracerProvider #27473 feat(unstable): no config npm:@opentelemetry/api integration #27541 WASMモジュール jsrパッケージにおけるサポートの改善 jsrパッケージ内に含まれる.wasmモジュールが読み込めるよう改善されています。 fix(jsr): Wasm imports fail to load #27594 deno check モジュールが見つからなかった際のエラー形式の変更 モジュールが見つからなかった際のエラーメッセージがTypeScriptのdiagnosticsとして報告されるよう改善が行われています (#27533)...

January 12, 2025

2024/12/30〜2025/01/05の最新情報

直近のDenoの変更について まだマージされているわけではないのですが、いくつか面白そうなPRが作成されているため紹介します。 Geometry Interfaces Module Level 1 の実装について まだDraft状態ではありますが、DenoにGeometry Interfaces Module Level 1を実装するPRが作成されています: feat(ext/geometry): Geometry Interfaces Module Level 1 #27527 DOMPointやDOMQuad, DOMMatrixなどのAPIが実装されているようです。 Geometry interfaces OpenTelemetryサポートにおける@deno/otelの不要化について 今まで、DenoのOpenTelemetryサポートを利用してシグナルを送信するためには、Deno公式から公開されている@deno/otelパッケージの使用が想定されていました。 DenoのOpenTelemetryサポートを利用するに当たって、この@deno/otelの使用を不要とする対応が進められているようです: feat(unstable): no config npm:@opentelemetry/api integration #27541 このPRの対応が入ると、セットアップの手間が若干軽減されそうです。 deno_stdの今後の安定化に関する計画 deno_stdにおけるパッケージやunstableモジュールについての今後の計画が公開されています: Next STD Stabilization Iteration Plan #6299 @std/iniパッケージや@std/uuidにおけるUUIDv7サポートの安定化などが検討されているようです。 lint.deno.landからdocs.deno.comへの移行について 以前に紹介したdeno lintのLintルールに関するドキュメントのlint.deno.landからdocs.deno.comへの移行が正式に実施されたようです: chore: replace lint.deno.land with /lint/ page #1289 今後はhttps://docs.deno.com/lint/からドキュメントを参照することが推奨されそうです。

January 5, 2025

2024/12/09〜2024/12/15の最新情報

Deno v2.1.4 Deno v2.1.4がリリースされています。 Node.js互換性の改善 deno install --entrypointの挙動の改善と--unstable-npm-lazy-cachingの導入 今までDenoはnpmパッケージに依存したスクリプトを実行する際に、package.jsonで指定されたパッケージをすべてインストールしていました。 このリリースではdeno install --entrypointの挙動が変更され、指定したエントリポイントから依存されているnpmパッケージのみがキャッシュされるよう改善されています。 他のコマンドでもdeno install --entrypointと同様の振る舞いをさせたい場合は、--unstable-npm-lazy-cachingまたはDENO_UNSTABLE_NPM_LAZY_CACHINGを指定することで有効化できます。 feat(unstable): support caching npm dependencies only as they’re needed #27300 パスに@が含まれるモジュールを提供するパッケージの取り扱いの改善 npmパッケージからファイル名に@が含まれるモジュールをimportしようとするとエラーが発生する問題が修正されています。 fix: do not error when specifier subpath has an @ symbol #27290 node:fs readFile()でファイルディスクリプターの指定がサポートされています。 fix(ext/node): accept file descriptor in fs.readFile(Sync) #27252 node:v8 serialize()とdeserialize()でFloat16Arrayがサポートされています。 fix(ext/node): handle Float16Array in node:v8 module #27285 _http_common @mswjs/interceptorsなどのNode....

December 15, 2024

2024/12/02〜2024/12/08の最新情報

Deno v2.1.3 Deno v2.1.3がリリースされています。 deno task --recursiveオプション v2.1.0で追加された--recursiveオプションが動作していなかった問題が修正されています (--filter *を指定した場合と同様に動作します) # ワークスペース内の各パッケージで定義されたtestタスクを実行します $ deno task --recursive test fix(task): --recursive option not working #27183 (Unix環境向け) 子プロセスへのシグナルの転送がサポート Unix環境において、deno taskのプロセス向けに送信されたシグナルがタスクで起動された子プロセスへ転送されるよう挙動が改善されています。 fix(task): forward signals to spawned sub-processes on unix #27141 (Windows向け) 子プロセスの自動停止 Windowsにおいてdeno taskのプロセスを停止させた際に、deno taskによって起動された子プロセスも停止されるよう改善されています。 fix(task): kill descendants when killing task process on Windows #27163 タスクの依存関係が定義されている際の引数の取り扱いの変更 deno taskに追加の引数が渡された場合、その引数がルートのタスクにのみ渡されるよう修正されています (dependenciesで指定された子タスクには渡されません) # 例) a b cはbuildタスクにのみ渡され、dependenciesで指定された子タスクには渡されません $ deno task build a b c fix(task): only pass args to root task #27213 deno fmt HTMLファイルのフォーマットの安定性が改善 <script>タグを持つHTMLファイルに対するdeno fmtの安定性が改善されています。...

December 8, 2024

2024/11/25〜2024/12/01の最新情報

Deno v2.1.2 Deno v2.1.2がリリースされています。 WASMモジュール .wasmモジュールから提供される関数以外の要素の読み込みがサポートされています。 fix: support non-function exports in Wasm modules #26992 TypeScript deno checkコマンドでJSDocの@importタグがサポート .jsファイルにおける@importタグによる型チェックがサポートされています。 fix(check): support jsdoc @import tag #26991 resolution-mode属性のサポート TypeScriptのresolution-mode属性のサポートが追加されています。 fix(node): correct resolution of dynamic import of esm from cjs #27071 deno fmt --check - .sqlファイルに対してエラーが発生する問題の修正 .sqlファイルに対してdeno fmt --checkを実行すると、常にエラーが発生する問題が修正されています。 fix(fmt): Return None if sql fmt result is the same #27014 deno init --npm scopedパッケージのサポート deno init --npmでscopedパッケージがサポートされています (例: deno init --npm @foo/barを実行すると、@foo/create-barパッケージが実行されます)...

December 1, 2024

Deno v2.1

Deno v2.1がリリースされました。 この記事では主な変更点などについて解説します。 .wasmファイルのimportがサポート .wasmファイルのimportがサポートされました。 通常のJavaScriptモジュールと同様に、リモートの.wasmファイルをimportすることもできます: import { add } from "https://raw.githubusercontent.com/denoland/deno/refs/tags/v2.1.0/tests/testdata/wasm/math.wasm"; console.info(add(1, 2)); また、deno docコマンドでも.wasmファイルがサポートされています: $ deno doc https://raw.githubusercontent.com/dyedgreen/deno-sqlite/refs/tags/v3.9.1/build/sqlite.wasm Defined in https://raw.githubusercontent.com/dyedgreen/deno-sqlite/refs/tags/v3.9.1/build/sqlite.wasm:45:1 function argument_blob(arg0: number): number ... function total_changes(): number Defined in https://raw.githubusercontent.com/dyedgreen/deno-sqlite/refs/tags/v3.9.1/build/sqlite.wasm:2:22 const memory: WebAssembly.Memory deno outdated deno outdatedという新しいコマンドが実装されています。 引数なしで実行すると、各依存関係の最新バージョンが表示されます: $ deno outdated ┌────────────────────┬─────────┬────────┬────────┐ │ Package │ Current │ Update │ Latest │ ├────────────────────┼─────────┼────────┼────────┤ │ jsr:@oak/oak │ 17.1.0 │ 17.1.3 │ 17....

November 24, 2024